其の異能力名は＿＿『物語産まれし場所』

中島敦＿＿山月記 ページ7

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・・・

月が綺麗な時でした＿＿もちろん、今も。


綺麗な…怖い位に綺麗な満月が夜空にぽっかりと浮かんでいる。



確か満月の日って周りの星が月の明るさで見えなくなるんじゃなかったっけ。
満月に限らず、この都会ではそんな事ざらにあるのだろうけれども。


さて、私のつぶやきはここまでにして。

月を見上げる敦さんが、先程から微動だにしない…何かあったのだろうか？
そんな疑問を浮かべる私(絶賛変装中)をよそに、太宰さんは話し始める。



「巷間には知られていないが、この世には異能を持つ者が少なからず居る。」



そして“武装探偵社”は異能者の寄り合い、敦さんは主人公…



『真逆＿＿！』


“虎”が彼の＿＿敦さんの“異能”？



ウオオオオオオオオ！



虎と変貌した敦さんが太宰さんへ襲い掛かる。
難なく躱していたが、あれが当たってしまえば如何なるか＿＿考えただけで悪寒がする。


“人が虎になる”のは、山月記と同じ。

じゃあ＿＿？


判断は早かった。



(異能力、【物語産まれし場所】＿＿【山月記】、標的を此方に！)




異能名は確か違ったと思うが＿＿これで大丈夫だろうか？
その心配を余所に、虎はきちんと(？)此方に向いてくれた。



「らいてう(らいちょう)ちゃん！」


『異能力＿＿【青踏】、月！』



そう叫ぶと掌から青い糸が出て蜘蛛の巣の様に展開され＿＿虎の攻撃を受け止める。



・・・


その調子で防御していれば、虎は諦めたようで＿＿太宰さんの方に向き直ってしまった。




『太宰さん！』

太宰治＿＿人間失格→←鈴蘭に朝露＿＿冷雷

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