執着の氷華２【ブルーロック】

５５.次俺９作戦 ページ9

翌日、青い監獄(ブルーロック)伍号棟、第３試合の結果は、チームＸをチームＷが倒して勝利していた。
そして第４試合は、私達チームＺ対チームＹが試合する事になった。










センターフィールドにチームＹが現れると、久遠さんが警戒した様子で語り始める。


「俺達同様、チームＹも１戦目を落として後が無い……注意人物は背番号９、シュートテクニックがズバ抜けてる熊本県大会得点王……大川響鬼」


私でも知っている人だ、よくテレビで未来有望な選手だと紹介されていた。
私達は皆で肩を抱き合うと、円陣を組む様に立つ。


「でも今回の俺達には、『次俺９』作戦がある。練習の成果を出すだけだ。死んでも勝つぞ、チームＺ！！」

「「「おおっ！！」」」


久遠さんの言葉に、皆が声を出して気合を入れる。
今の私達は、もうチームＸと対戦した時の私達じゃない。
全員で協力して勝ちを取りに行くと言う、同じ目的を共有出来ているから。
この日の為に、私達は沢山の話し合いを重ねて来たのだ。
それは、久遠さんが考案した『次俺９』作戦の説明をした夜から始まった。









・










「これはそれぞれの“武器”を活かす為の超攻撃的システム、でも１人１人が不闇に“武器”を使おうとしてもバラバラになる。だから時間を区切って、交代で１人ずつＦＷを担う！

１人の“武器”を１番際立たせる為に、周りの奴らは布陣(フォーメーション)を組んで、FW(そいつ)がやりたいサッカーをサポートして行く。それを１１人分繰り返して、全員で回してくんだ」


久遠さんの作戦に、異議を唱える人は居なかった。
１１人全員がＦＷになれるから、平等だと考えているのだろう。


「順番は、ランキング順で良いんじゃないか？」

「ＦＷ以外のポジションは？皆が一斉にポジションチェンジやったら、混乱しそうだよ」

「いや……ローテーションで、時計回りにして行けば良い。近くにズレるだけだから、問題無い筈だ」


確かに、それだけならスムーズに行きそうだ。
『勝つ為だ、ＧＫは俺固定で良い』と伊右衛門さんが言うと、千切君も『俺もＤＦ固定で良いよ』と告げる。











『でも千切君、ずっとＤＦのままだけど良いの？』

「放っとけ、御影。此処で自己主張出来ねぇ時点で、お前ら才能ねーんだよ！」

「ＯＫ……じゃあ、この作戦は１人１０分事、伊右衛門と千切を抜いた９人で回す……通称『次俺９』作戦とする！！」


これが、今回私達が考えた作戦だ。

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