65.勝利を祝って ページ19
「チームZ第2試合、勝利を祝いまして……」
「「「乾杯!!」」」
何とかチームYとの試合を制した私達はその夜、部屋の中でプチパーティーを開いていた。
私と潔君が決めた2点分でステーキを用意し、他にも皆がいつも食べているおかずを分け合う。
「久々の肉うんめ〜!!」
涙を流しながら肉を食べ続ける人も居れば、普段口にする事が出来ないおかずに喜んでいる人も居た。
「でもよくあの場面で走り込んでたよな、潔。ボールが我牙丸の頭超えた瞬間、外れたと思ったし」
モグモグと、ご飯を食べながら潔君を見る國神君。
『ボール来るって分かってたのか?』と我牙丸さんが問い掛けると、潔君は『いやいや』と首を振った。
「ゴール決める為に走ってたら、あの辺に零れて来るのかなって思っただけで、たまたまそこに居ただけだよ」
「俺は見えてたよ、潔!だから、お前にパスをした。はいご褒美、あ〜ん」
蜂楽君はステーキを刺したフォークを向けるが、それを全て躱す潔君。
蜂楽君は気にしていないみたいだけど、男の人同士で食べさせ合うと言うのは、流石に恥ずかしいのだろうか。
「もー、じゃあ良いよ。Aちゃんにあげるから。はい、Aちゃん、あ〜ん!」
『ん?ありがとう』
一向に食べない潔君は諦めたのか、今度はこちらにステーキを向ける蜂楽君。
ニコニコと少年の様に笑う蜂楽君のせいか、ほぼ反射的にパクッと食べてしまった。
『美味しい』
「だよね!Aちゃんも大活躍だったんだから、もっといっぱい食べて良いんだよ!」
ギュッと背後から抱きしめながら、頭を撫でて来た。
何だろう、最近蜂楽君のスキンシップに慣れ始めて来た気がする。
まだ多少の恥ずかしさはあるけど、蜂楽君に他意は無いって分かってるから全然嫌ではない。
「離れろ」
如何にも不機嫌な顔を浮かべた國神君が、ベリっと私と蜂楽君を離した。
その瞬間、蜂楽君は眉を顰める。
「そんなに無理に剥がさなくたって良いじゃん。俺はAちゃんが好きだから、いつでもくっつきたいだけなのに」
「駄目に決まってるだろ。御影さんは、そんな軽々しく触れて良い相手じゃない」
私を庇う様に背に隠して言う潔君。
さっきまでの盛り上がりが嘘の様に凍える空気に僅かな緊張感を覚えていると、雷市君が『こっちに来とけ』と手招きしてくれる。
それに従って彼の隣に座ると、『あいつらに何かされたら言えよ』と労る様に頭を撫でてくれた。
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こはね(プロフ) - ほんとに冗談抜きで今までのブルロの作品で1番好きです!笑こんなに私のドストライクの作品に出会えてほんっっとに嬉しいです〜!! (5月12日 15時) (レス) id: 1bc7951b1f (このIDを非表示/違反報告)
Banri - poyocooooooさん» コメントありがとうございます!私の作った話をどう評価されるのかいつも気にして投稿しているので、コメントを読ませて頂いてとても自信を持つ事が出来ました!これからもよろしくお願いします! (4月26日 17時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 玲王との関係が私の妄想(笑)と完全一致で展開されすぎていて最新話を読んで鳥肌がたちました😍毎話ドキドキしながら読ませていただいています!他の方も書かれていますが、ほんとに星を一度しか付けられないのが悔しいですが、何度も押してます!! (4月26日 5時) (レス) id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - MaOさん» コメントありがとうございます!やっと玲王君との絡みを出せたと安心していたんですけど、早く他のキャラとの話も書きたいとウズウズしています笑。どのキャラとどう関わっていく事になるのか、楽しみに待って頂けたら嬉しいです! (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - shionさん» コメントありがとうございます!今回の話は悩んで作ったので、喜んで頂けてとてもホッとしています笑。コメントはいつでも受け付けているので、これからも気軽にして頂けると嬉しいです!今後もよろしくお願いします! (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Banri | 作成日時:2024年2月16日 19時