58.チームYの作戦 ページ12
あれから蜂楽君、國神君の武器を使って点を取ろうと攻め続けたが、どれもこれも失敗に終わった。
ニ子君が言っていた様に、私達の事はかなり分析されているみたいだ。
何とか守りを崩さないと、点を取る事は難しかった。
「ナイスパス、蜂楽!」
蜂楽君がパスしたボールを受け取る國神君。
そのまま彼の武器としているシュートを放とうとしたが、それは2人のディフェンスによって防がれた。
「だぁクソ!!またかよ!?」
先程も國神君のシュートはブロックされていたのだ。
國神君は苛立った様に声を上げたが、そのボールは上へと浮き飛び、セカンドボールとなった。
『あ……』
ボールが角度を変えて落ちた場所には、ニ子君が佇んでいた。
彼がそのボールを取ると、今まで何の動きも見せていなかった大川さんが突然走り出す。
ディフェンスラインを突破して、そのまま手薄になっているチームZのゴール前へと突き進んだ。
そうか、彼らの狙いは――――。
「この
そう呟いたニ子君は、大川さんへとパスを出した。
“カウンターアタック”、それがチームYの作戦だったんだ。
私達は攻めていた訳じゃない、攻めさせられていたんだ。
「やっと来たか、ニ子!」
ニヤリと笑った大川さんはボールをトラップすると、そのままゴールポストへと走り出した。
伊右衛門さんが前へと出て来た様子を見た大川さんは、シュートを撃とうと右脚を上げる。
それに反応した伊右衛門さんは左側に身体を仰け反らせたが、大川さんはシュートを放たなかった。
フェイントだ。
大川さんは倒れた伊右衛門さんの身体をジャンプして飛び越えると、そのまま無人のゴールへシュートを決めた。
あんなプレーされたら、止められなくて当然だ。
「お前のマークだろうが、成早!」
「1人じゃ止めらんないよ!大川には2枚付けないと!」
又しても先制点を許してしまった私達の間には、緊張感が漂い始める。
確かに大川さんを止めない限り、私達には勝算は無い。
チームYも武器を使っているんだ。
大川さんの圧倒的な“シュートテクニック”と言う武器を。
「落ち着け、皆!!まだ0ー1だ!」
そうだ、久遠さんの言う通りだ。
まだ私達には沢山の武器がある、諦めるのはまだ早い。
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こはね(プロフ) - ほんとに冗談抜きで今までのブルロの作品で1番好きです!笑こんなに私のドストライクの作品に出会えてほんっっとに嬉しいです〜!! (5月12日 15時) (レス) id: 1bc7951b1f (このIDを非表示/違反報告)
Banri - poyocooooooさん» コメントありがとうございます!私の作った話をどう評価されるのかいつも気にして投稿しているので、コメントを読ませて頂いてとても自信を持つ事が出来ました!これからもよろしくお願いします! (4月26日 17時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 玲王との関係が私の妄想(笑)と完全一致で展開されすぎていて最新話を読んで鳥肌がたちました😍毎話ドキドキしながら読ませていただいています!他の方も書かれていますが、ほんとに星を一度しか付けられないのが悔しいですが、何度も押してます!! (4月26日 5時) (レス) id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - MaOさん» コメントありがとうございます!やっと玲王君との絡みを出せたと安心していたんですけど、早く他のキャラとの話も書きたいとウズウズしています笑。どのキャラとどう関わっていく事になるのか、楽しみに待って頂けたら嬉しいです! (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - shionさん» コメントありがとうございます!今回の話は悩んで作ったので、喜んで頂けてとてもホッとしています笑。コメントはいつでも受け付けているので、これからも気軽にして頂けると嬉しいです!今後もよろしくお願いします! (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Banri | 作成日時:2024年2月16日 19時