05.待ち受けていたのは ページ7
「潔君、知り合い?」
「あ、はい!同じクラスで……御影Aさんです」
「そうなんだ!俺は吉良涼介、よろしくね」
潔君と話していた人が、あの吉良君だったとは思わなかった。
一体、潔君は彼と何の話をしていたのだろうか……少し気になる。
笑顔で手を差し出して来た吉良君。
少しぎこち無かったものの、その手を握り返しながら『よろしくお願いします……』と挨拶した。
「もしかして、御影さんもサッカーやってたの?」
『うん、転校して来る前の学校で』
「そうだったんだ、全然知らなかった……」
潔君の質問に頷きながら答えると、彼は少し表情を落とした。
潔君に限らず、転校して来てから殆ど誰とも関わる事が無かったから、サッカーをやっていた事なんて知らなくて当然だ。
一方的に私が潔君の事を応援していたなんて事も、彼は知らないだろう。
「Aちゃんも一緒に行こうか!俺達も今から行こうと思ってたから」
『……あ、はい』
「てか、ここに集合して何やるか全然分かんねーのな。電話しても答えてくんねーし」
「そっすね」
吉良君に促されて、私と潔君は会場内へと入って行く。
一体どんな場所なのかと少しだけ警戒していたけど、会場となるエントラスホールは入ってすぐ側にあった。
と言うか、分かりやすく看板まで置いてくれていた。
それに潔君と吉良君と一緒だからか、何だか気が抜け始めて来た気がする。
エントラスホールの扉の前まで来ると、先頭に居た吉良君がギィと音を立てて開けてくれた。
何が待ち受けているのだろうかと思っていたが、そこに居たのは何故か300人近くの男子高校生達だった。
扉を開けて入って来た私達に一気に視線が向けられた為、何だか緊張してしまって顔を下に向ける。
そう言えば、此処に居る人達って男の人しか居ないけど……女の子は居ないのだろうか。
「うわー、めっちゃ居る……」
「なーんか、見た事ある奴居るなぁ……洗膿のエース大川、高校No.1高身長石狩、青森のメッシ西岡も居るじゃん」
吉良君の言葉を聞いて思ったけど、まさかここに居る人達全員
私でも知っている人が何人か居る、この人達も私達と同じ様に呼ばれたと言う事だろう。
でも、どうしてこんなサッカーをやっている人達ばかり集められたのだろうか。
一体、ここで何が始まるんだ。
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Banri - アイズさん» コメントありがとうございます!少しゆっくりになるかもしれませんが、更新頑張ります!これからもよろしくお願いします! (1月26日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 更新待ってます! (1月26日 7時) (レス) id: f7fb020bf2 (このIDを非表示/違反報告)
Banri - コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて、とても嬉しいです!更新頑張りますね、これからもよろしくお願いします! (1月21日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 一気読みするほど、とても良かったです!続きを楽しみに待っています!応援しています! (1月21日 10時) (レス) id: 96e9700f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Banri | 作成日時:2024年1月16日 18時