6、修学旅行へ ページ6
「A〜!早く早く!!」
茜が私を急き立てる。
校門にはもうバスが待機している。
いよいよ今日から修学旅行。
2日前までは楽しみで楽しみで仕方なかった修学旅行。
だけど
到底楽しむ気分になんてなれない私がいた。
「……大丈夫?」
私の元へと引き返して来た茜が私の顔を覗き込む。
昨日。
告白を終えた私を校門の前で待っていてくれた茜。
茜の顔を見た途端泣き出した私を、茜は何も言わず、ただ手を繋いで家まで送ってくれた。
「……ん。大丈夫」
泣きはらした目でそう言った私の頭を、優しい手が撫でつける。
ホント。
茜が傍にいてくれて本当に良かった。
じゃなかったら私
もしかしたら修学旅行なんて
行こうとも思わなかったかもしれない。
「茜。ありがとう」
「……なによ、急に改まって。笑」
恥かしそうに笑った茜が、「行こ!」と私の手を握って
クラスメイトが待つ場所へと歩き出した。
こうして私にとってひとつの転機となる、『修学旅行』が始まった。
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月1日 12時