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44、発言には注意を ページ44

ある日、放課後の廊下で美香とすれ違った。

「美香、帰るの?」

私の声に美香が足を止めて振り返った。


「うん。今日は光輝と約束があるから」


高野光輝。
中学の時から付き合っている美香の彼氏だ。



「相変わらず仲良しだね〜」

「まぁね。Aは?川島と会わないの?」

「ん〜、部活が忙しいから」

「そっか〜。そのうちみんなで集まりたいね」


そう言って美香は手を振りながら帰って行った。


美香と高野も高校は別々だ。
いつからか『高野』じゃなく『光輝』と呼ぶようになった美香。


中学の時よりも、ふたりの距離がずっと近くなったように見えて、なんだか羨ましく感じていた。



私と茜は、事あるごとに、ひとりクラスが離れてしまった美香の教室で、お弁当を食べた。

その日もいつものように、美香の教室でお弁当を食べていた。

「……ねぇ」

美香が突然、声を潜めて私の方へ身を乗り出した。


「ねぇ。Aはさぁ、会うたびシてる…?」

「ん??はにを?」

口に入れたばかりの唐揚げが、呂律を狂わす。


「だから。会う度えっちしてるか、って聞いてんの!」

「…ぶはっ!!」

「ちょっとっ!A、汚いっ!ティッシュ取って、ティッシュ!!」


私が吹き出した唐揚げを、隣にいた茜が渋い顔で片付ける。


「な、な、な、なに言ってんのっ!?」

むせ返りながらお茶を飲む私を見て、美香が心底驚いたように目を開いた。


「え、ウソでしょ?まだ、とか言わないよね?」

「な、なにが!?」

「え、本当に?」


まるで呆れたように身体を反らす美香を見て、ティッシュをゴミ箱に捨てて戻って来た茜が、ふっと鼻で笑った。


「無理無理。Aは発育にも問題あるから、美香と一緒にしちゃならんわ」

「あ〜、それもそうか」


は、はぁ!?
ちょっと待ってよ。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月1日 12時

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