17、二度目の勘違い ページ17
修学旅行が終わってからも、川島とはよく目が合った。
プリントを配るとき。
給食のとき。
体育のとき。
いつからか、目が合い見つめ合うことが自然なことで。
川島が風邪で学校を休んだりすると、なんだか寂しいような、物足りないような
そんな気さえするようになった。
私、川島のこと…好きになったのかな……?
自分でもよくわからない感情が胸の中で疼いていた。
そんな時だった。
休み時間いつものように智美の席に集まっていた時、突然美香が言った。
「ねぇ。なんか私、川島とよく目が合うんだけど」
「……え?」
私の小さな声をかき消すように、今度は智美が言った。
「うそぉ!私もだよ!! 私だけかと思ってた〜!」
……うそ。
美香も智美も?
驚きのあまり声も出せない私の隣で、茜が淡々と話し出す。
「あぁ、川島、目が悪いからじーっと見ちゃうの癖になったって言ってたよ」
……信じられない。
私って本当にバカなのかも。
吉村に振られた時となにも変わってない。成長してない。
自意識過剰って、治らない病気なのかな。
あ、でも今回は大倉も悪い。
だってアイツがそれらしいことを言ったから……。
でも。
その日から川島と目が合うことはなくなった。
私が川島を見ないから。
みんなを見る同じ視線で
私を見てほしくなかったから……。
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月1日 12時