*:..。o○☆アイノカタチ*:..。o○☆○o (ページ15)

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15、楽しい思い出ページ15

「修学旅行どうだった？」

夕食時、私の前に座った姉の美波が、テーブルの上の肉じゃがを摘まみながら言った。

「すごく楽しかったよ」

「へぇ、良かったじゃん！じゃあ吉村くんとはうまくいったんだ？」

「……え？」

自分の言葉に驚いた。

私、修学旅行に行く前は、確かにひどく落ち込んでいた。

旅行中も何度も泣きそうになったはずなのに

今は楽しかったと思ってる……？

「あれ？違うの？この前告白するって言ってなかった？」

「そうなんだけど…」

姉の美波とは歳がふたつしか離れていないこともあって、小さい頃からとても仲が良い。

修学旅行の何日か前も、姉の布団に潜り込み、お互いの好きな人のことを深夜まで語り合ったばかりだった。

「私も色々あったんだよ、色々と」

「ふぅん。そうなんだ」

勘がいい姉のことだ。この一言で大体のことは察しがついたのだろう。それ以上は何も言ってこなかった。

っていうか、私…あんなに辛かったはずのことを、『色々あった』のひと言で終われるようになってる。

人って凄い。

時間って凄い。

自分の変化に、素直にそう感じていた。