アイノカタチ 4 (ページ36)

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揚げたてのハモ天に舌鼓を打ちながら頬張っていると、カカシが箸を止めて目を細めてこちらを見ているのに気づいた。
ざる蕎麦を表情を変えずに啜っていると、それがツボに入ったのか急に顔を逸らして肩を震わせる。

『ちょっとひどくない？』

「いや、なんでそんなに表情変えずに食べれるの」

『ジーってみられると嫌でもこうなるって』

眉間に皺を寄せながらも蕎麦を食べ進める。
段々と量が減っていくざる蕎麦を見て思う。
カカシってやっぱり大食いだよね。なのになんでこんなに細いんだ。
最後のハモ天を口に入れて味を堪能する。

いつの間にか食べ終わっているカカシも手を合わせてご馳走様と満足げな顔をしている。
箸を置いてサービスしてくれたおばさんにご馳走様と大きな声で言うと、元気よく「あいよ！」と返事をされる。
支払いをしようと小銭入れを出そうとすると、カカシが先に出していて。

『え、いいよ』

「オレが払うよ。たまには彼氏らしいことさせて」

『そんなこと言われちゃったら甘えるしかないじゃない』

「本当はもっといろいろしたいんだけどね」

『今度綱手さんに頼んでみる？』

「拒否されるか、連休もらった後にこき使われるけどそれでもいいの？」

『それはやだなぁ』

おばちゃんご馳走様、と声をかけながら店を出て病院へと向かっていく。
10分も歩けば病院が見えて来て入口から入ろうとした時に、屋上の方から何やら喧騒が聞こえてきた。
私もカカシも眉間に力が入り同時に地面を蹴り上げて屋上へ行くと、ナルトが螺旋丸をサスケが千鳥を繰り出してお互いにぶつけようとしているのが見えた。

二人を止めようとサクラちゃんが間にかけていくのが見えて急いで彼女を抱き止める。
カカシがナルトたちの腕を掴んで貯水タンクに投げ飛ばしてくれたお陰で、サクラちゃんには傷ひとつない。

よかったと安堵したのも束の間、どうしてこんな状況になったのかを考える。
きっと売り言葉に買い言葉なんだろうけれど、ちょっとおいたがすぎる。
カカシも同じことを思っているのか、もしくはナルトが繰り出した技に驚いているのか眉間の皺をより深くしていた。

腕の中にいるサクラちゃんは突然現れた私たちに驚いているのか目を大きく見開いて呆然としていた。
貯水タンクが大きく変形する音が後ろで大きく鳴り響いて、それで我に帰ったのか二人の方へと顔を向ける。
その横顔は不安でいっぱいで、今にも泣きそうな顔をしていた。