154、秘密の場所 ページ7
空いっぱいに広がる星だけが、私たちを見つめていた。
照れ笑いしながら隣に寄り添う私たちを、星空だけが知っていた。
「ココ、気に入った？」
「うん！もちろん！地元にこんな所があったなんて知らなかったよ｣
「うん。俺もココ知ってからは、その辺で星を見ようとは思わなくなった｣
「川島はいつココを知ったの？」
「いつだったかな…？俺も人に教えて貰ったんだけど」
「そうなんだ。実はココ有名だったりして｣
「や、それはないと思う。俺、たまに来るんだけどココで他の人に会ったこと一回もないから」
淡々と。なんの迷いもなく答える川島に
「…へぇ。そうなんだ」
次の言葉を飲み込む。
川島も誰かにココを教えて貰ったんだ。
その誰かは…女性かな。
ココに来るの何度目なのかな。
たまに来るって…こんなところにひとりでなんて来ないよね？
ってことは、誰かと一緒に来てるってことかな…。
「…栗原？どうしたの」
悶々とする私の目の前に、川島の顔が降りてくる。
「ううん、なんでもないよ」
「あ。もしかして誰かにこの場所教えようとか思ってる？」
「思ってないよ」
「ダメだよ、他のヤツと来たりしたら。ココは俺と栗原だけの秘密だから」
川島はそう言って優しく私にキスをした。
抱き締められた身体が火照ってるのが自分でもわかる。
秘密って。
私たち以外にもココのことを知ってる人がいるはずなのに…。
……ううん、いい。
過去に川島がどんな人とココに来てようと、誰にこの場所を教えて貰ってようと関係ない。
「来ないよ。私、川島以外の人となんて絶対来ない」
今、川島はここにいる。
私の隣で川島が笑っていてくれるなら、他には何もいらない。
川島の胸にきつく抱き締められながら
本気でそう思った。
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ユチコ(プロフ) - おにぎり侍さん» 最初から読んでくださりありがとうございます！中学生の出会いから始まった二人の関係が今後どのようになっていくのかも楽しんで貰えるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (
レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 絵蓮(ｴﾚﾝ)さん» コメントありがとうございます！最初から読んでくださってるなんて嬉しいです〜( ;∀;)もっとキュンキュンをお届けできるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり侍(プロフ) - 1から読みました！中学から大人になるまで…最高です！ (2018年8月19日 12時) (レス) id: 3b05885be4 (このIDを非表示/違反報告)
絵蓮(ｴﾚﾝ)(プロフ) - 続編おめでとうございます！1の時からずっと見させてもらって、ｷｭﾝｷｭﾝしてます！← 更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 22時) (レス) id: 75d02ce64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユチコ | 作成日時：2018年8月18日 18時
