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165、佐藤さんとの距離 ページ18

「栗原さん、随分仕事にも慣れてきたようだから、そろそろ窓口業務やってみようか」

私のデスクの前に立ち、そう言ったのは支店長だった。


「は、はい!!」

「後方とはまた違うから覚えること山ほどよ。まぁ詳しくは佐藤さんに聞いて。佐藤さ〜ん、ちょっと来てくれるかい?」

支店長が窓口に座っている佐藤さんを呼び付けた。

げぇ―…。また佐藤さん……。


「…なんですか?」

軽くため息をつきながらこちらへと歩いて来た佐藤さん。
相変わらず、お客様がいる時といない時の態度が違うなぁ〜。


「来週から栗原さんに窓口に入ってもらうから。大事なこと、色々教えてやってくれるかい」


決して命令口調で物を言わない支店長に

「……わかりました」佐藤さんが相変わらずの愛想のない声で返事をした。



ウソばっかり。
わかりました、って言いながら全然教えてくれないくせに!

心の中で悪態を付き、半分諦めながら佐藤さんに頭を下げた。


「よろしくお願いします」

「…よろしく」


なかなか縮まらない佐藤さんとの距離。
だけどそれも仕方ないのかな、って。
合う人もいれば合わない人もいて当然か、って親睦を深めることを諦めかけていた時、私たちの関係を知ってか知らずか、支店長が恐ろしいことを口にした。



「そうだ。今日はお客様も少ないから、佐藤さんと栗原さん。
今のうちに一緒にお昼行ってくれるかい」

「え!!」

無意識に叫んでいた。

よりにもよって、佐藤さんとランチですと!?
そんな事したら絶対消化不良起こしちゃう。
てか、佐藤さんが一緒に食べてくれるはずがない。


チラッと佐藤さんを盗み見た。

あ、やば。
目が合っちゃった。

どうしたらいいかわからなくて黙ったままモジモジしていたら。
私を数秒見つめた佐藤さんが、静かな声で言った。


「……栗原さん、お昼お弁当?」

「い、いえ、違います」

「……コンビニ行くけど一緒に行く?」




……あ、あれ?

誘ってくれた…!

166、お昼を一緒に→←164、増えていく嘘



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作品ジャンル:恋愛
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ユチコ(プロフ) - おにぎり侍さん» 最初から読んでくださりありがとうございます!中学生の出会いから始まった二人の関係が今後どのようになっていくのかも楽しんで貰えるように頑張りますね! (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 絵蓮(エレン)さん» コメントありがとうございます!最初から読んでくださってるなんて嬉しいです〜( ;∀;)もっとキュンキュンをお届けできるように頑張りますね! (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり侍(プロフ) - 1から読みました!中学から大人になるまで…最高です! (2018年8月19日 12時) (レス) id: 3b05885be4 (このIDを非表示/違反報告)
絵蓮(エレン)(プロフ) - 続編おめでとうございます!1の時からずっと見させてもらって、キュンキュンしてます!← 更新頑張って下さい! (2018年8月18日 22時) (レス) id: 75d02ce64f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年8月18日 18時

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