159、お兄さん ページ12
それから少しの間、悶々としながらも涼の学校のこと、私の仕事のこと、(人4 )と拓哉くんの結婚式のことなんかを話して。
談話室にちらほらと人が集まって来たのを機に「そろそろ帰るね」椅子から立ち上がった。
「茜ちゃんもAも、来てくれてありがとね」
エレベーターまで送ると言ってくれた涼と一緒に歩く。
「…退院はいつくらい?」
「あと2、3週間くらいかな?」
「そう…」
「だから心配しなくても大丈夫だから。笑
そんな簡単に死なないよ」
「そんなこと冗談でも言わないでよ!」
エレベーターの前、私は怒ってるのに涼が嬉しそうに笑うから
「静かにしなさい!」
茜に二人纏めて怒られた。
「じゃ、気を付けて。今日はホントありがとう」
エレベーターが閉まり涼が見えなくなると、茜と目が合った。
「涼くん、思ったより元気そうで良かったね」
茜の言葉にコクン、と力強く頷いた。
本当にそう思う。
ヘラヘラしてる涼になぜか腹は立ったけど。
でも明るいいつも通りの涼に安心したのも事実だったから。
「なんか安心したらお腹空いて来ちゃったよ。茜、帰りスタバにでも寄って行く?」
話しながらエレベーターを降りようとしたら。
「あれ?」
エレベーターの前ですれ違い様に誰かに顔を覗かれた。
その顔に。見覚えのあるその顔に
「…ぅわっ」
思わず後退りした。
こ、この顔は…っ!
今さっき会って来た彼にそっくりなこの顔は…!!
「涼のお兄さん…っ!!」
「あ〜、だよね? 涼の彼女だった子でしょ?」
コクコクって首を動かす私を、確か下のお兄さんが凝視する。
「もしかして涼の見舞い?」
私と茜の顔を交互に見るお兄さんに、ふたりでまたコクコクと頷いた。
すると「ふぅん……」と言ったお兄さんが、思わぬことを言った。
「もしかして、ヨリ戻したとか?」
「えっ?や、違います…!」
両手をぶんぶん振って否定した私を
「なんだ違うの」
お兄さんが呆れたように鼻で笑った。
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ユチコ(プロフ) - おにぎり侍さん» 最初から読んでくださりありがとうございます!中学生の出会いから始まった二人の関係が今後どのようになっていくのかも楽しんで貰えるように頑張りますね! (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 絵蓮(エレン)さん» コメントありがとうございます!最初から読んでくださってるなんて嬉しいです〜( ;∀;)もっとキュンキュンをお届けできるように頑張りますね! (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり侍(プロフ) - 1から読みました!中学から大人になるまで…最高です! (2018年8月19日 12時) (レス) id: 3b05885be4 (このIDを非表示/違反報告)
絵蓮(エレン)(プロフ) - 続編おめでとうございます!1の時からずっと見させてもらって、キュンキュンしてます!← 更新頑張って下さい! (2018年8月18日 22時) (レス) id: 75d02ce64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年8月18日 18時