*:..。o○☆アイノカタチ4*:..。o○☆○o

193、無性に逢いたくなる ページ46

佐藤さんが目を丸くした。


「なんて…。実際はわからないけど、私はきっと『離れたくない』って…。そう思ってしまう気がします」


小さな声になってしまったけど。
はっきりとそう言った私に、佐藤さんは「……うん」小さく頷いた。





浮気。

浮気ってなんなんだろう。

他の人に身体を許すこと？

他の人に心を寄せること？

だけど、身体だけの浮気なら許せる人もいれば、気持ちだけの浮気ならいいって人もいる。


私が思う浮気は
どこからがそう呼ぶものなんだろう…？



開けっ放しの引き戸の向こうから「ちょっと入るよー」哲さんの声。


「これ、サービス」と持ってきてくれたのは、大きなブルーベーリーが乗ったアイスで。


「このアイス元気が出る魔法の粉かかってるから。ゆっくり食べて」

そう言ってニッと笑った哲さんが、佐藤さんの頭をポンッと撫でた。


「哲さん……っ」

佐藤さんが、また泣いた。





代行に車を頼み、家に着きベッドに横たわりながらボーっと天井を見上げた。


川島に、会いたい……。

佐藤さんの彼の浮気を知ったからか、どうしても川島に会いたくなった。

咄嗟に携帯を耳にあてたけど、聞こえてくるのは抑揚のないガイダンス。




「…だよねぇ」

仕事中は一切のメールも電話も繋がらないことは知ってる。
今日は逢えないとも言われてる。


「川島…逢いたいよ…」



川島の匂い、温もりを思い出しながら
布団を抱きしめるように眠った。

194、別れを決めた彼女→←192、彼氏の浮気

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す