*:..。o○☆アイノカタチ4*:..。o○☆○o

187、逢える夜は ページ40

時間通りに始まった披露宴で茜は３度のお色直しを披露した。

面白おかしく拓哉くんとのエピソードを話した涼の後で、緊張して挑んだ私のスピーチは
途中から涙と嗚咽が交じり、結局うまく話すことが出来なかった。

席に戻ると目を真っ赤に潤ませた美香が「良かったよ」と笑ってくれて
良かった、と思う気持ちと極度の緊張からの解放で、また涙が出た。



『俺。今どこ？』

川島から電話があったのは、披露宴が終わり２次会の会場に向かって歩いている時だった。


「これから２次会に行くところ。川島は？仕事終わったの？」

みんなから少し離れて歩く私の耳に「今終わったよ」川島の穏やかな声が聞こえる。



『どうだった？結婚式』

「めちゃくちゃ綺麗だった。私ブーケ貰っちゃったよ』

「良かったね」と小さく笑った川島に、ねぇ、知ってる？と心の中で思う。

花嫁からブーケを受け取った女性は
次に幸せになれるって言い伝えがあるんだよ。

口に出せなかったのはあまりに露骨だと思ったから。


ウエディングドレス。
ティアラ。
ブーケ。


茜の幸せそうな姿を見て、結婚への憧れが一段と強くなった。

そんな私に『会いたい』と口にした川島。


『今日は……帰るの？』

「え？」

『家に帰らないとダメ…かな』


あ…そういうこと。


「ううん、ダメじゃない」


私も今、川島に


すごく逢いたい。

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