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147、体温の低い手 ページ49

「え?」

思わず聞き返した私を見て川島が恥ずかしそうに手を引っ込めた。


「ウソ!今のなし!!」


え?え???

あ、うそっ、ちょっと待って!


「つ、繋ぐ!! 繋ぎたい!!」

「え?」


今度は川島に聞き返された。

ば、バカだ私…っ!!
なに張り切っちゃってんの…っ!


カーッと熱くなる顔。
勝手に汗ばんでくる手。

恥かしくて下を向いていたら、頭上から川島の笑い声が聞こえて。


「じゃ、繋ご」

そう言ったかと思ったら、そっと手と手が重なった。



あ、あ、あぁぁぁぁぁぁっ

つ、ついに川島と手を繋いじゃった!!



ゆっくりと歩き出す川島の歩幅に合わせてドキドキ胸が騒ぎ出す。

ど、どうしよう、なにか話した方がいいかな、って真っ白な頭で考えていたら。

もう片方の手を口元に持って行った川島が、ふっ、て軽く笑った。



「栗原の手、あったかいんだけど」

「そ、そう?」

「うん。あったかいって言われない?」

「言われたことはないと思うけど」

「そっか。俺が冷たすぎるのか」


川島が笑うから一緒になって笑ったけど、言われてみたら川島の手、温度が低いかも。

男の子だから?
あ、でも涼の手はもっと温かかったような…。


はっ!なんでここで涼の手なんか思い出しちゃってんの。



「とりあえず栗原の体温奪っとこ」

そう言ってきゅっと握り直された手。

奪っちゃって奪っちゃって!私今すっごく暑いから!!って心の中で叫びながら、私も川島の大きな手をギュッと握った。


ゆっくり進む歩幅と反比例していく鼓動。

緊張と興奮で酷くなっていくように感じる手汗に怯えていたら、「…あ!」突然川島がピタリと立ち止まった。



「そう言えば栗原、夕飯食べた?」

「あ、ううん、食べてない」

「だったらせっかく小樽まで来たんだから美味いもの食べてかない?」


うまいもの!?

「うん!食べたい!!」


張り切って答えた私をまた川島が笑い出す。

あぁなんかもう…いっぱいいっぱい過ぎてどうしよう。

作者より→←146、デートスポット



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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - なしなぎさ( =^ω^)さん» コメント&ニヤニヤありがとうございます笑 大好きと言ってもらえて嬉しいです( ;∀;)更新頑張ります☆これからもよろしくお願いします^^ (2018年8月6日 19時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
なしなぎさ( =^ω^)(プロフ) - これ見ていつもにやにやしてます…←変態wこのお話大好きです!更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2018年8月5日 17時) (レス) id: 807497c1ec (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - れもねーるさん» コメントありがとうございます!最初から見てくださってありがとうございます(T_T)出来る限り更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 亜夢さん» コメントありがとうございます!最初から見てくださっているのですね( ;∀;)嬉しすぎます(T_T)亜夢さんもお体にお気をつけて!応援ありがとうございます!頑張りますね☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーる - 最初から見てます!これからも更新頑張って下さい! (2018年8月1日 10時) (レス) id: 34bb338129 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月30日 11時

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