102、正反対の恋愛観 ページ4
生まれも育ちも札幌のなっちは、大きな建築会社を営むお家の一人っ子。
いわゆる『お嬢様』だった。
週末には母親と買い物に出かけ、月曜日には真新しい洋服を着てくることがたびたびあった。
その辺のアイドルに負けないくらい小さく整った顔。
身体や脚はすごく細いのに、出るところはしっかり出ている。
彼女に出会って、この世の不公正さを初めて思い知らされた。
隣にいると引き立て役にしかならないから…ってクラスの女の子たちはなっちの隣にいることをためらったけど、私は彼女と一緒にいるのが楽しくて。
根っからのお嬢様気質からか、とにかく自由奔放な彼女の隣にいると毎日が新鮮で驚くことの連続で、ワクワクが止まらなかった。
だけど、唯一。
なっちのことで理解してあげられないのは、男のこと。
可愛いが故か、彼氏がコロコロと変わるのだ。
時には、一週間で二人も付き合っている人が変わった。
私とは対照的な生き方。
でも、茜とも美香とも違う。
今まで出会った事のないタイプに、私は魅了されっぱなしだった。
「ねぇ。Aはなんで彼氏つくらないの?」
駅前の喫茶店でアイスカフェオレのストローを口に咥えたまま、なっちが上目遣いで私を見た。
「なに?急に」
突然の質問に、口元に持って行った紅茶のカップをテーブルに戻した。
「だって、Aの口から男の話聞いた事ない。もしかしてAは女の子が好き?」
「なに言ってんの」
「違うの?じゃあなんで?男に興味ない?」
指でストローをくるくる回しながらなっちが私を見てる。
「そんなことないってば」
「そう?じゃあ今度こそ一緒に合コン行く?」
「行かないけど」
「ほら。興味ないじゃん」
断っても断っても合コンに誘って来るなっち。
意外と諦めは、悪い。
どうしようかな…。
なっちにはちゃんと話しておいた方がいいかもしれないな。
「私ね、好きな人がいるんだ」
「えっ!? 誰!?」
「ん〜、ずっと昔に付き合ってた人」
言った途端、なっちの可愛い口がポカンと開いた。
「…ウソ。終わった恋愛を引きずるとかありえない」
……だよね。
やっぱりなっちには理解してもらえないみたい。
お互い様だけど。
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ユチコ(プロフ) - なしなぎさ( =^ω^)さん» コメント&ニヤニヤありがとうございます笑 大好きと言ってもらえて嬉しいです( ;∀;)更新頑張ります☆これからもよろしくお願いします^^ (2018年8月6日 19時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
なしなぎさ( =^ω^)(プロフ) - これ見ていつもにやにやしてます…←変態wこのお話大好きです!更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2018年8月5日 17時) (レス) id: 807497c1ec (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - れもねーるさん» コメントありがとうございます!最初から見てくださってありがとうございます(T_T)出来る限り更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 亜夢さん» コメントありがとうございます!最初から見てくださっているのですね( ;∀;)嬉しすぎます(T_T)亜夢さんもお体にお気をつけて!応援ありがとうございます!頑張りますね☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーる - 最初から見てます!これからも更新頑張って下さい! (2018年8月1日 10時) (レス) id: 34bb338129 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月30日 11時