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126、ドキドキの昔話 ページ28

静かな車内にテンポの良い洋楽が流れていた。

何となく気まずくなってしまった会話に、顔だけ熱くてパタパタと手で扇いでいたら。


「そっか…」

小さく言った川島が、シートにドサッと凭れ掛かった。


「栗原、あの時俺の事好きでいてくれたんだ…」

その言葉に、私の耳が反応する。


「…はい?どういう意味?」

「や。あの頃栗原が俺をどう思っていたのか自信なかったから」


え。
なに言ってんの。


「ウソだよ〜。私が川島をどう思っていたかなんて一目瞭然だったじゃん」

「そんなことないよ」

「え、だって告白したのだって私だし…」

言いながら思い出した。

……そうだ。付き合ってって言ったのは私じゃない。
私が茜に頼んだんだった。

あれ?もしかして私、自分で川島に好きって言ったこと…ない?



必至で思い出そうとしている私を見ながら、川島が軽く笑った。



「ね。俺のことそんな好きじゃなかったでしょ」

「それはない!!」

「だってあの日も」

「え?」

「ココアと遊んだあの日。栗原、すげぇ困った顔して怒って帰ったよね」

「え?なんのこと?そんな記憶ないよ」

「いや。あん時の栗原はめっちゃ引いてた」


ちょっと待ってちょっと待って。何の話?


「だってあの時って……あ!あれだよ!川島のお母さんが帰って来て乾燥機とか勝手に借りたりしてたから少し怒ってたでしょう?だからお母さんに申し訳なくなっただけだよ」

「…そうなの?なんだ、てっきり俺が変なことしようとしたから怒って帰ったのかと」

「変なこと?」

…って、じゃああの時やっぱり…!?


「ち、違う違う!そんなわけないじゃん!」


ダメだ。

ただの昔話だってわかってるのに
さっきからドキドキが止まらない。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - なしなぎさ( =^ω^)さん» コメント&ニヤニヤありがとうございます笑 大好きと言ってもらえて嬉しいです( ;∀;)更新頑張ります☆これからもよろしくお願いします^^ (2018年8月6日 19時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
なしなぎさ( =^ω^)(プロフ) - これ見ていつもにやにやしてます…←変態wこのお話大好きです!更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2018年8月5日 17時) (レス) id: 807497c1ec (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - れもねーるさん» コメントありがとうございます!最初から見てくださってありがとうございます(T_T)出来る限り更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 亜夢さん» コメントありがとうございます!最初から見てくださっているのですね( ;∀;)嬉しすぎます(T_T)亜夢さんもお体にお気をつけて!応援ありがとうございます!頑張りますね☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーる - 最初から見てます!これからも更新頑張って下さい! (2018年8月1日 10時) (レス) id: 34bb338129 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月30日 11時

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