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125、気まずい思い出 ページ27

彼は一体何を考えているのだろう…。

驚き過ぎて言葉を無くしているうちに、車はあっという間に海に着いた。

そりゃそうだ。
海と山に囲まれている地元。
車で10分も走れば海が見えて来る。


見慣れた海岸の手前で川島が車を停めた。



北海道の冬の海。

さすがに人の姿は見当たらない。
でも夕陽があたって海面がキラキラしていて…


「キレ―…」


思わず声が洩れた。


「降りてみる?」

川島がそう言って車のドアを開けた瞬間、冬の冷気が襲って来た。


「さ、さむっ!!」

「だよね〜」

すぐにドアを閉めた川島が、着ていた黒のダウンジャケットを脱いで私に差し出した。


「これでも掛けてて」

「あ〜、ありがとう」


正直、暖房を入れてくれていても上着なしはさすがに寒かったから、素直に受け取り胸元にかけた。


……あ。なんかいい匂い。

川島の上着から爽やかな香水のような匂いがした。
川島、香水なんて使うようになったんだ…?

昔借りたパーカーは柔軟剤の香りだったのに。

……そういえば。


「ねぇ、ココアちゃんは元気?」

突然切り出した私に川島が驚いたように目を開いた。


「よく憶えてるね」

「憶えてるよ〜。可愛いかったもん」

「もうおじいちゃんだけど元気だよ」

「おじいちゃん…?え!?そうだったの?てっきり女の子かと」

「違うよオスだよ。だから栗原の……」


言いかけてハッとしたように言葉を止めた川島に
私もすぐにあることを思い出した。


「私の脚舐めたことだ?」

「…やっぱ憶えてた?」

「当たり前だよ〜。
だって好きな人の前でタオルの間から脚舐められるとか…」



今度は私が言葉に詰まる。



こ、困った。

なんて気を遣う会話なんだろう…。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - なしなぎさ( =^ω^)さん» コメント&ニヤニヤありがとうございます笑 大好きと言ってもらえて嬉しいです( ;∀;)更新頑張ります☆これからもよろしくお願いします^^ (2018年8月6日 19時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
なしなぎさ( =^ω^)(プロフ) - これ見ていつもにやにやしてます…←変態wこのお話大好きです!更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2018年8月5日 17時) (レス) id: 807497c1ec (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - れもねーるさん» コメントありがとうございます!最初から見てくださってありがとうございます(T_T)出来る限り更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 亜夢さん» コメントありがとうございます!最初から見てくださっているのですね( ;∀;)嬉しすぎます(T_T)亜夢さんもお体にお気をつけて!応援ありがとうございます!頑張りますね☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーる - 最初から見てます!これからも更新頑張って下さい! (2018年8月1日 10時) (レス) id: 34bb338129 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月30日 11時

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