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99、高校三年生 ページ1

少しずつ雪融けが進み桜の木が小さなつぼみを付け始めた頃、私は高校3年生になった。


就職だ、進学だと周りが騒がしくなっていく中、英語が得意だった私は短大の英文科に進路を決めていた。


別に、これと決まったビジョンがあるわけじゃなかった。
ただ、英語力を生かした仕事が出来れば…、とざっくりとは考えていたし、茜や美香も札幌の専門学校へ行く事が決まっていたから私も一緒に札幌に行きたい、その程度の思いだった。

だから大学受験を本気で考えている人よりも遅いスタートとなり。
初夏になってずっと続けていたアルバイトをやっと辞め、そこから本格的に受験勉強を始めた。




その日はひどく蒸し暑かった。

流れる汗をハンカチで拭いながら、先生から勧められた参考書を買いに街中の大きな本屋へと向かった。

テスト期間中だったしそんなに混んでいないだろうと思っていた本屋は、私と同じような学生たちで溢れていて、長蛇の列を作っているレジをげんなり見つめながら最後尾に並んだ。



その時聞こえて来た女の子たちの笑い声。

胸元の大きな赤いリボン。しゃがむと下着まで見えてしまいそうな短いスカート。
あれは……川島の学校の制服だ。

今が旬のアイドルが表紙の雑誌を手に取り、数人できゃあきゃあ騒いでいる。


この時間にいるということは、きっと川島の学校もテスト期間中なのだろう。



自然と目が店内を見渡す。


昔からの癖が直らなかった。


会うはずもないのに。

いるはずもないのに。



同じ制服の人。スポーツバッグを持った人を見かけると

どうしても、目が勝手に探してしまうのだ。






「1,950円です」

店員さんの声で慌ててお財布からお札を取り出した。


…やっぱりいるはずないか。
買ったばかりの参考書をカバンにしまった時だった。



「ちょっと待ってよ、貴人」


私の横を走って行った女の子の制服に。

彼女の口から出た名前に。


無意識に振り返った。




「あれ?そっちにいたの?こっちにいるかと思った」




見間違いかと、思った。


……ううん。私が見間違えるはずはなかった。



見間違いだと思いたかったのは


その人が走り寄って来た女の子と、自然に…

ごく自然に

手を繋いだから。

100、やっとわかった→



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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - なしなぎさ( =^ω^)さん» コメント&ニヤニヤありがとうございます笑 大好きと言ってもらえて嬉しいです( ;∀;)更新頑張ります☆これからもよろしくお願いします^^ (2018年8月6日 19時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
なしなぎさ( =^ω^)(プロフ) - これ見ていつもにやにやしてます…←変態wこのお話大好きです!更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2018年8月5日 17時) (レス) id: 807497c1ec (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - れもねーるさん» コメントありがとうございます!最初から見てくださってありがとうございます(T_T)出来る限り更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 亜夢さん» コメントありがとうございます!最初から見てくださっているのですね( ;∀;)嬉しすぎます(T_T)亜夢さんもお体にお気をつけて!応援ありがとうございます!頑張りますね☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーる - 最初から見てます!これからも更新頑張って下さい! (2018年8月1日 10時) (レス) id: 34bb338129 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月30日 11時

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