63、遊園地のチケット ページ13
くっきり二重の大きな目。
茶色い髪の毛に長い手足。
思わず見惚れる私に、そのイケメンがニコッと微笑んだ。
「初めまして。中西涼です」
子どものような純粋な笑顔に、私もつられて笑顔になった。
「初めまして。栗原Aです」
それが、彼と交わした最初の言葉だった。
「それじゃ、行きますか!」
いつの間に用意してくれていたのか、「はい」拓哉くんに遊園地のチケットを渡された。
「あ、ありがとう。待ってチケット代…」
ゴソゴソとお財布を探す私を、拓哉くんが「あー、いらないいらない」と制止する。
「Aちゃんの分はもう涼からもらってるから」
「え?」
顔を上げると、目が合った涼くんが照れたように顔を逸らした。
「え、いい!自分で出すから!」
これはダメ!
初対面の人にそんなことしてもらうわけにいかないからって慌ててカバンからお財布を取り出すと、拓哉くんにその腕を掴まれて。
「Aちゃん、ここは出させてやってよ」
拓哉くんがニッと笑った。
「コイツ、Aちゃんの分は絶対自分が出すって毎日バイト入れて」
「ぅわっ、拓哉!ふざけんなっ!!」
涼くんが慌てたように拓哉くんに飛びかかり手で口を塞いだ。
え?
どういうこと??
戸惑う私を見て、クスクスおかしそうに笑った茜がそっと私の横に来た。
「ね?涼くん、いい人そうでしょう?」
い、いい人そうだけど…
「…うん」
これって出さない方がいいの…?
こんな風に知らない男子と遊ぶのは初めてで
どれが正解かがわからない。
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時