sixTeen Kiss

○° ページ7

Takurou side


｢ ただいま ｣

ドアが閉まった音僕の声だけがしんとしたマンションの一室に響いた。



…… 寝てもうてるんかな。




廊下の電気を付けて部屋に入ると、
そこには開きっぱなしのノートパソコンとその上に突っ伏して眠っているA。



｢ やっぱり ｣



なに書いてるんやろ。
気になったのでマウスを動かして読んでみる。





あれ...？






どこかを押してしまっているのかアルファベットが画面に表示され続けている。




Aの手をよけて、マウスを動かしてページをスクロールする。

ああ、QuizKnockの記事か。




しかしその記事は途中で寝てしまったからか、最後の方がなんだかすごい文章になっていた。




『 へやにひとり。さみしい。拓朗さんてどうしたらふりむくのかな、なにしたらいいのかnjduegpwetwjd…… 』





っなんや、これ。

いつものAのスッキリした文体はどこへやら。
ほとんどひらがなの文章でかかれている。その中でも僕の名前だけちゃんと漢字に変換されている。嬉しい。




そうじゃない。



｢ 風邪ひくよ。｣


声をかけても起きなかったので、上に掛けてやるブランケットか何かを取って来ようとAに背を向けてソファに向かった時。


｢ 、、？ん 、、たくろ、さん？(ｶﾞﾀｯ ｣



Aが僕を呼んだ。起こしてしまったらしかった。僕は急いでソファからブランケットを取って、

｢ 起こしてごめん。風邪ひくから、これ。｣

と言って振り返ろうとしたら


ぎゅっ


後ろから抱きつかれた。

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