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やった。
やってしまった。
つい勢い余って人前でなんてっ…!
俯いたままの顔を少し上げる。
カルエゴ先生は何も言わず、じっと私を見ていた
バッ
勢いよく再び俯く
むりむり!!!
そんなじっと見ないで!?
勘弁してっ!!!!!!
せめてなんか言ってよ!?むしろ気を使ってください!!!
『…え〜っと…わ、私そろそろ行きますねっ!授業遅れちゃうんでっ!』
早くこの場から立ち去りたくなって勢いで逃げようとした。
周りの目が痛い
ひそひそと話す声が迫ってくるような気分だ。
このままここにいたらどうにかなりそう。
反対方向へ足を向け歩き出そうとした。
しかし、私の足は動くことなく後ろに倒れこむ
・・・ん?倒れこむ??
はっとした時にはもう遅く
周りは黄色の声が上がっていた。
「え〜青春じゃん〜」
「きゃーっ!カルエゴ先生あんなことできるんだ〜♡」
「おいっ!あの子お前かわいいからって狙ってなかったか!?」
「うおっまじかよ〜」
それぞれが好き勝手に叫ぶ
まてまて、何が青春だ。
この状況が青春に見えるのか?
がっちりと逃がさんと言わんばかりに捕まれる腕
無言の圧
あ〜…凄くドキドキしてる。
・・・たぶん、恋とは別の何かで。
「おい」
『ひゃいっ』
唐突に声をかけられてびくっと肩を震わせる
声が裏返って変な声が出た。
「ちょっとこい」
『…ハイ』
そういうと、ぱっと手を放し前を歩き始める先生
その後ろを少し縮こまりながらついていく。
あれ、怒ってるかな…
どうしよう…このまま退学になっちゃったら
・・・
ううん、大丈夫。
心配しなくても、気持ちを伝えることに意味があるんだ。
大丈夫、大丈夫…。
「入れ」
歩みをとめて、顔を上げる。
目の前には少し古びた教室。
キィ…と不気味な音を立てて開かれた扉の先は
先が見えないような暗さの真っ暗な部屋があった
・・・まって、これもしかして終わった???
私これ生きて帰れるだいじょうぶ???
「何をしてる、入れと言ってるだろ」
『あ・・・はい』
慎重に足を運び目を凝らす。
うん、やっぱ何にも見えない
歩みを進めるのが怖くなりその場で立ち止まる
パチっと電気をつける音がしてまぶしい光に目を瞑る
そっと目を開けると
きれいに整頓された机
窓際に並べられたサボテン
少しコーヒーのにおいが残るシンプルな部屋だった。
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かなぶん(プロフ) - とっても先が気になります!! (2021年11月23日 11時) (レス) @page25 id: 27b575971f (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 面白っかたです! (2021年10月4日 0時) (レス) @page25 id: 0d42b433ed (このIDを非表示/違反報告)
はるな - カルエゴ先生カッケー (2021年9月23日 16時) (レス) @page25 id: 75221876c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し11981号(プロフ) - 続きがめっちゃ気になります! (2021年6月6日 8時) (レス) id: c91637211e (このIDを非表示/違反報告)
あいみゅー(プロフ) - 紫狐 sikiさん» こんな感情的なコメント…!!!嬉しいです好きですっ(((早めに更新しますね〜!!! (2021年5月27日 14時) (レス) id: 9bcf96c2bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいみゅー | 作成日時:2020年1月14日 2時