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「充分じゃれ合っただろ。そろそろ行くぞ」
こまを召喚してから数十分。
評価を書き終わったのか、私とこまが遊んでいるのを静かに見ていた先生が口を開く。
『あ、はい。大丈夫です』
「次の試験会場まで少し距離がある。さっさと行くぞ」
そう告げ、カツカツと音を鳴らして外へでる先生を追いかけるように私達も外へ出る。
こまはどうやら私に懐いてくれたみたいで私から離れず肩に憑いては、キャンキャンとふわふわの体を擦り付けてくる。
かわいい…
廊下に出ると、授業が一つ終わったのだろう。次の授業へ移動する生徒たちで賑わっていた。
すれ違う生徒の中には少し先生を見ると焦ったように離れたり、目を合わせないものも多い。
『…先生。』
「なんだ」
『なんか…凄い…あの…』
私が言葉を選んでいると
「気にするな。仕方のないことだ」
といい、少し歩くスピードを速めた。
それに合わせるように私も歩く。
これ、完全に言っちゃいけないことだったよね…
デリカシーなさすぎじゃない私。
これじゃあ人間として社会に出れないよ。
って、ここ魔界やないかーい。
なんて面白くもないギャグを心の中で唱えては一人で肩を落とした。
◆
「ついたぞ」
『ヒェ…』
長い沈黙の後、エレベーター(?)で到着した先で私は声にもならない声を出した。
どこから出た声かはわからない。
なんか、のど…?口…?
もうよくわからない。
でも絶対今の私は青ざめた顔をしていることだろう。
だってわかるもん。
血が全身から抜けて、心臓に吸収されるのがよくわかる。
あー。たぶん私今日死ぬんだろうな(白目)
「…なんて声を出してるんだ」
『ス…スミマセン』
でもでも、こんな崖っぷち…
そう、到着した先は周りは高さなんてわからないほどの崖。
道もなく、鋭い岩がいくつもそびえ立っていた。
え、ここで何すんの?
まさか朝、入間君が言ってた飛行レース…?
いやいや、笑えないって。
こんなの人間だったら死…
あ、魔界だった。
「ここでは、飛行レースをしてもらう」
『やっぱかーーー!!』
腹から声が出るってこういうことなんだろう。
地面に向かって大声を出す。
今日一の声だ。
あ、まって先生。そんな顔でこっち見ないでお願い。
えー…どうしよう。
吹き出る汗。
焦るA。
ドン引きのカルエゴ先生。
次回【飛行レースとか一人でやったらもうレースじゃない】
Aの運命はいかに!
『他人事じゃん!?』
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かなぶん(プロフ) - とっても先が気になります!! (2021年11月23日 11時) (レス) @page25 id: 27b575971f (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 面白っかたです! (2021年10月4日 0時) (レス) @page25 id: 0d42b433ed (このIDを非表示/違反報告)
はるな - カルエゴ先生カッケー (2021年9月23日 16時) (レス) @page25 id: 75221876c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し11981号(プロフ) - 続きがめっちゃ気になります! (2021年6月6日 8時) (レス) id: c91637211e (このIDを非表示/違反報告)
あいみゅー(プロフ) - 紫狐 sikiさん» こんな感情的なコメント…!!!嬉しいです好きですっ(((早めに更新しますね〜!!! (2021年5月27日 14時) (レス) id: 9bcf96c2bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいみゅー | 作成日時:2020年1月14日 2時