位階決め ページ11
「ここだ」
長い沈黙の後
使い魔を召喚するための場所に着く
『広いですね』
「まぁな、どデカい使い魔が来た時にも耐えられるようにだ」
そう言うと中央にある魔法陣に近づいた
ここで使い魔を召喚するそうだ
『それで、やり方だが...』
先生に説明を受けて紙を貰う
この紙に自分の血で丸を書き燃やすと使い魔が出てくるらしい
血、かぁ。
痛いのはやだなぁ
そう思っていると、躊躇っているのが分かったのか先生が口を開く
「先程はあぁ言ったが、ここで使い魔をきちんと召喚できなければ退学だ。評価は厳粛に行う」
こちらを見ずにノートを広げながら言う
そうだ、ここで躊躇ってても仕方ない
さっさとやってしまおう。
そう決心し、親指の表面を少し噛みちぎる
じわっと血が滲み、垂れないうちに紙に丸を書いた
これで火にかざせばいいんだよね...?
不安になり先生の方を見たが、早くやれと言わんばかりの視線を送られた
これで、使い魔が出てこなかったらどうしよう。
困る。だいぶ困る。
学校を退学になってしまえばおじいちゃんはがっかりするだろう
私が、人間界とは違う人生を送るんだ!と思ってもここで転んでしまうと全てがダメになってしまうかもしれない。
それは、いやだ
ゴクリ、と喉をならし紙を火にかざす。
紙は燃えて煙が黙々と出てきた
どんどんと煙が濃くなり
周りが見えないほどになった頃
頬にふわふわとした感触を覚えた
なんだろうと思いそのふわふわしたものを掴む
徐々に霧は晴れ、それは姿を現した
...これは...
『狛犬...?』
ふわふわした毛並み
額には小さな角
小さな体は犬の形をしていた
「狛犬、だと?...しかしそれは神の使いのはず...どうして使い魔で出てくるんだ...」
先生は目を開き考え込む
私はどうしていいか分からず見つめていると狛犬が私の周りを回り始めた
キャンキャン!と楽しそうに駆け回るその姿は
本当にただの子犬のようで愛らしいものだった
「...まぁ、いい。今年は例外もあったのだ、使い魔を召喚できただけいいだろう」
例外...?
先生は例外については触れず、そのまま評価をつけた
狛犬は周りを走り回る
「...そいつに名前でもつけてやれ」
『...え?名前?』
「自分の使い魔だ、そちらの方が愛情が湧くだろう」
『それもそうですね...えっと、じゃあ』
少し考え、口に出す
『こま...?』
名前を呼ぶと尻尾を振りキャン!と返事をするようにこまは吠えた
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かなぶん(プロフ) - とっても先が気になります!! (2021年11月23日 11時) (レス) @page25 id: 27b575971f (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 面白っかたです! (2021年10月4日 0時) (レス) @page25 id: 0d42b433ed (このIDを非表示/違反報告)
はるな - カルエゴ先生カッケー (2021年9月23日 16時) (レス) @page25 id: 75221876c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し11981号(プロフ) - 続きがめっちゃ気になります! (2021年6月6日 8時) (レス) id: c91637211e (このIDを非表示/違反報告)
あいみゅー(プロフ) - 紫狐 sikiさん» こんな感情的なコメント…!!!嬉しいです好きですっ(((早めに更新しますね〜!!! (2021年5月27日 14時) (レス) id: 9bcf96c2bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいみゅー | 作成日時:2020年1月14日 2時