なにわの掟

期待とプレッシャー3 ページ39

西村side



今、僕は レッスン場やなくて 公園のベンチにおる。



発表された あの日から 何日 経ったやろ。
今日 僕は 初めて レッスンを 休んで しまった。
出来ない 自分が 嫌で 投げ出して しまった。
迷惑 かかっとる のは わかってる。いっそうの こと
メンバーから 外して もらえへんか とさえ 思って しまう くらいに 僕は追い込まれとった。


真冬の公園。コートを 着ているとは いえ かなり
寒いはず。せやのに 寒さなんて 1ミリ も 感じ られない。




西村 『 はぁぁぁ……。 俺何やっとるんやろ。』


その時誰かが 隣に 座った。 そして 缶のココアを 差し出される。


向井 『 ほんまに 何やってるん？ 風邪ひくで』

西村 『 ……え……？？』


まさかの 康二くんやった。

向井 『 風邪の 誰かさん お見舞いに 行ったら お母さん びっくり しとったで。 今日 も 元気に レッスン 行ってる はずやって 』

西村 『 …… なんで、なんで わかったんですか？』

向井 『 んー。先輩の 勘かな。 とりあえずほんまに 風邪 引いたら 大変やし うちこい。お母さんに 許可は もらっとるから 』


そう言って 歩き出す 康二くんを 僕はただ 無言で
追いかけて 康二くんの 車に乗り込んだ。

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