【黒バス】勉強応援めっせーじ

笠松先輩 ページ17

「せーんぱいっ！！お久しぶりです！」


彼氏の幸男先輩は、大学２年生。

２つ年上の照れ屋で頼れるお兄さん。

受験生の私にちょくちょく遊びに来ては勉強を見てくれる。


「お、おぅ。……相変わらず元気だな」

「先輩は相変わらずのコミュ障発揮ですね」

「」


まぁそんなこんなで自室に招いたわけだけど……。


「………なんだこの受験生とは思えない部屋は」

「あはは……」

「あのなぁ。ちょっとは整頓しろ！」


アニメのグッズとかが散乱した部屋は我ながらひどい有様だと思う。


シバくぞ！！なんて怒鳴られちゃったんだけどさ、片付けなんてめんどくさいし。

勉強する気すら起きない私が、片付けなんて……。


「……あ、ほら！勉強が忙しいから〜」

「その割に異様な綺麗さを誇る机の上はなんだ」

「あ、」


「…………俺が片付けてやるから、参考書とか出せ」

「はーい」


綺麗な机に教科書ノート筆箱を出して、椅子に座るまでの間にどんどん床が見えてくる部屋。

そして、驚くほど手際のよい先輩。いけめんですか。


「よし、こんなもんだろ。……で、分からねぇところは？」

「……三平方、とか」


てかそもそも数学なんていらないと思うんだ！

世の中には電卓という名の素晴らしい機械が存在するしさ。

ピピッ！ってやっちゃえば一瞬で答えが出てくるわけだし。


「……電卓使うにも計算方法が分からなけりゃムリだろ！」


oh.口に出てたようだ。

Aは100ダメージを食らった。

Aはこんらんした。


「っ！！だって勉強やだしアニメ見たいし先輩ともっと遊びたいしっ！！」


勢い余って余計な事を口走りつつも、やっぱりそれは本音であって。

勉強なんてそんなやってらんないよ！！


「………おまっ！！何言って」

「だってそうじゃん！！先輩だって忙しいのに私の壊滅的な勉強みさせられて迷惑じゃないの？」


「んなことねーよ！お前は元の頭はそこそこなんだし、教えりゃ分かるじゃねーか」

「え……？」

「それに、俺がお前に教えてんのは俺の勝手だ。お前が気に病む必要はねーよ！！」

「えと、……はい」

「じゃあ、さっさとシャーペン握って一問でも多く問題に慣れろ。この時期にはそれが一番だ」


ずっと思ってたことを口に出したら、なぜか逆に怒られてしまった。

しかも途中褒められてた気もしなくもないし。


「お前はやればできるんだから、きっと大丈夫だ。胸張ってけ」


先輩、やっぱいけめん。

　

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