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「え、何……気持ち悪い」
というか吐きそう……。
＿＿＿"狂え"
この上なく不快で嫌悪感のするその感情が他の誰か達の感情を巻き込み、かき回しながら、私の中で荒れる。
『ごめんね、レイラ。俺はキミ自身を愛したわけじゃないんだ。キミの狂気に魅入られて、その狂気が好きだった。もっと狂わせたいと思った。だから協力した』
その感情の持ち主は不気味な笑みを湛えていた。その目は虚ろでレイラを向いているはずなのに、本人を見ていない感じ。本当に気持ち悪い。
『別に良い。一部分でも私の事を好きでいてくれてるんなら、私はそれだけで幸せだし、あんたを愛する事ができるよ、ファイス』
レイラが青年に笑顔を返した。その表情は"魔女"に似ていて殺意が湧いた。
『そうか。良かった。俺はもう、キミの狂気ごとキミを好きになってしまったから、拒絶されたらどうしようかと思ったよ』
……良いなぁ。私もセレンに好きって言われたいな……でも、セレンの愛情は、ただ1人に向いている。
「マイカ……」
あぁ、殺さないと。セレンがあの"魔女"に惑わされて、縛られてしまう前に。私が、マイカを、殺さないと。だって、だって、そうすれば、セレンは…………私だけに好きだって、愛してるって、言ってくれるよね。
その時、
ズッ……ズズッ
映像がブレた。終始心の中で荒れ狂っていた他人の感情が、少し鎮まった気がした。
でも私は、どうして映像が消えかかったのか、どうして感情が鎮まったように感じたのか、なんて、そんな事を気にしてなかった。私の頭の中は好きな人と憎んでいる人で一杯だった。
『がはッ、ごほっごほっ』
映像の彼が吐血した。どうでも良かった。
『どうしたの！？』
それを見てマイカに似た誰かは慌てた。どうでも良かった。
『俺がキミの協力者だって知った、キミが殺した奴らの遺族に……毒を盛られた。遅延性だったみたいだけど、うーん、それのせいで持病が悪化したみたい』
誰かは青白い顔で今にも死にそうだった。どうでも良かった。
『分かった。そいつら全員殺してくる』
『ありがとう』
誰かと誰かが会話していて、その一方から突然湧いた殺意が私に流れ込んできた。どうでも良かった。
私はセレンが幸せで、マイカを殺せれば、私は幸せだ。だから、その他の全部……ここが暗闇なのも、たくさんの他人の感情が常に流れ込むのも、そのせいで酷く痛むのも、誰かの過去が見えるのも……どうでも良かった。
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たまご(プロフ) - めっちゃ面白かったです！アスラ君、大好きでした！ (2019年9月26日 7時) (
レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - チェシャ猫さん» ありがとうございます(*^^*) アスラ君、好きになってもらえて良かったです！ (2019年3月24日 2時) (レス) id: a49b6f3827 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやぁ、めでたしめでたしですね！！アスラ君最後まで大好きでした！お疲れ様でした！！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 0582223455 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - なななさん» あなたの事は知ってますよー。コメントどうも！ (2017年5月5日 21時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - すっごくおもしろいです!!!!! めつちゃ最高(*ﾟ▽ﾟ*)更新楽しみにしてまふ(( (2017年5月5日 14時) (レス) id: b05e83a60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒極氷化(かんごく ひょうか) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/
作成日時：2016年4月26日 0時
