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「あああああああアアあああああああああああアアアあああああああああああアアアあああああああああアアああああああああああアアアアああああああああああああああアあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
"魔女"が硬直状態から脱したと思ったら、壊れた叫びを放った。そのひび割れた声にたまらず耳を塞ぐ。この悲鳴を合図にしたかのように、アイツとセレンの間に
セレンは、それを見て目を細めると、アイツから手を離した。代わりに、地面の揺れでこけそうになっているアイの手を握る。
「え、わ、な、何かな!?」
「アイ、この中に入って」
「うん、いいよ!」
「え、ちょ。待ってよ。おにーさん何言ってんの!? そこに入れって……そのわけわかんない暗闇におねーさんに入れって言うの!?」
そう、セレンは突如発生した暗闇を指して、アイに入れと言ったのだ。しかも、予想通りにも、そんなセレンの頼みに了承しているアイ。
「アスラ、君はもう気付いているよね? アイとマイカの事について」
「……」
「これは必要で、必然な事だよ」
「……そういう事」
ボクの中で散らばっていた謎が、セレンの言葉で結びついた。それは1つの答えとなり……セレンが何をしようとしているのか、理解した。
「………クソッ」
小さく毒づく。自分の中途半端に物分かりが良い所に腹が立つ。ボクが何をしようとも、アイがあの暗闇に入る未来は避けられない事を悟って、何も行動を起こす気がなくなったからのだから。……まぁ、こんな未熟者だから、60年間も復讐心を保ってられたのかもしれない。
……揺れがさらに酷くなってきたり、マイカの悲鳴で治安部隊がこちらに向かってきたりしてるけど、もうどうでも良いかも。
そうして、やっと思考放棄をしようとしかけたところで、
ビィィィィィィーーーーーーーーーッ
遠くの方から酷く癇に障る巨大な音が聞こえてきた。……確か、この音は……。
「警報!?」
「街からか!」
隊員達がその音に足を止め、ざわつき出した。隊員として、猟奇殺人の容疑者を前にするにはあるまじき行為だが、今回の場合は仕方ないのかもしれない。
「本部から連絡です! 街にある、いや国中にあるセンサーが一斉に鳴り出しました!」
混乱し切った表情で隊員の1人が告げる。
魔法検知センサーが国中で反応したら、誰だって動揺する。……しないのは、その首謀者か狂人くらいだ。
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たまご(プロフ) - めっちゃ面白かったです!アスラ君、大好きでした! (2019年9月26日 7時) (レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - チェシャ猫さん» ありがとうございます(*^^*) アスラ君、好きになってもらえて良かったです! (2019年3月24日 2時) (レス) id: a49b6f3827 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - 完結おめでとうございます!いやぁ、めでたしめでたしですね!!アスラ君最後まで大好きでした!お疲れ様でした!! (2019年3月23日 15時) (レス) id: 0582223455 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - なななさん» あなたの事は知ってますよー。コメントどうも! (2017年5月5日 21時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - すっごくおもしろいです!!!!! めつちゃ最高(*゚▽゚*)更新楽しみにしてまふ(( (2017年5月5日 14時) (レス) id: b05e83a60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寒極氷化(かんごく ひょうか) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/
作成日時:2016年4月26日 0時