高嶺の花なんかじゃない【BTS】 (ページ26)

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【suga side】

『じゃあ、ユンちゃんでいいですか？』

突然想像もしていないような爆弾を放り投げてきて思わず飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった。
ジンヒョンから、ナチュラルに心を掴みにくるって聞いてはいたけど初っ端から予想以上だった。
ジンヒョンがあみの話をしている顔が、本当に恋に落ちているような顔で気になっていた。
誰にも優しいけど友達終わりというか、恋しているジンヒョンを見たことなんてなかったから新鮮で仕方なかった。
ちょうど恋愛ソングを作成しなくてはならないタイミングだったし、あみからいいインスピレーションをもらえればな、なんて思ってたけど、アホみたいに沼らないようにしないとな。

『ユンちゃん、少しピアノ弾いてみてもいいですか？』

ユンちゃん呼びしてくるくせに敬語は抜けないのな。

「いいよ、何でも好きな曲弾きな」

あみが弾いた曲は「Spring Day」だった。
俺が作詞、作曲に参加した楽曲だ。

『私、この曲すごく好きなんです。メロディはすごく穏やかで優しいのに、何だか苦しくもなるというか。ギュンってするっているか。初めて聞いた時、頭から離れなくて。切ない、でもあたたかいようなそんな気持ちになったんです』

そう言いながら弾いてくれる手が途中で止まった。

『って言ってもここまでしか弾けないんですけど...』

って笑って言うから後ろから弾いてあげた。

「この続きはまたゆっくり教えてやるからまた遊びに来いよ』