消えたキセキはバスケやめてバレーやってるんだってさ (ページ40)

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38話ページ40

牛島さんのプレーをインプットし、後は実際に観て擦り合わせようと思い、他の白鳥沢の選手の観察へと移る。

白鳥沢さんの全員のプレーを観た上で分かったことと言えば、絶対的エースである牛島さん主体であることに変わりは無いのだがそこに全員が頼りきりな訳では無いということ。

セッター、ミドル、ライト、リベロ、皆が全てにおいてのレベルが高いこと。ひとりも隙のあるプレーをするのが居ないこと。

チームとして個人のレベルをここまで上げるのは容易くないことを僕は知ってる。白鳥沢さんの監督がそれだけ凄いということがよく分かった

『コーチ、ありがとうございました。白鳥沢さんはもう大丈夫なので次は伊達工業さんの観せて頂いてもいいですか？』

するとコーチはぎょっとした

溝口「いや、お前もう19時なるぞ？！」

僕はひとつの学校を観るのに2時間以上かけてたようだ。

溝口「お前これ明日までに全部見終えられんのか？？」

明日までにか、かるく20校はあるなあ、

『コーチこれお借りしてもいいですか？？』

溝口「いいけど、徹夜はすんなよ？？監督にはあともう少し時間くれるように伝えとくからよ」

ありがとうございます。と言い僕はビデオを6～7個をバッグに入れて家に帰った。

そこからはお風呂にも入らずご飯も作らずビデオに見入った。
気づいたら時刻は3時を回っていて慌てて僕はお風呂に入り軽くご飯を食べた。

僕の資料には隙間も見えないほどびっしりと文字が連なっていた

借りたビデオを全部見終わる頃にはもう家を出なくては行けない時間となった。

結局一睡もしないまま僕は朝練へと向かった。

『おはようございます』

僕がコーチに挨拶をしまたビデオを観るという作業に入った。
この日1番に観た試合は、影山くんたち北川第一の中学の時の試合だった。
相手はあのオレンジくんのいる学校で、その差は歴然だった。

その時に僕は影山くんの王様と呼ばれる原因であろう一面を垣間見た。
国見にもっと本気で追えと怒鳴り、国見たちと対立してる場面もあった。

ああ、彼は王様だ。
そう思うと同時に僕らに似てるなあなんて思った。

溝口「、、。影山くんの中総体の試合観るか？」

『観ます。みせてください。』

それは何とも言えないものだった。
彼のセットアップしたトスを誰も飛ばなかった。そう無視したんだ、チームメイト全員が。
その後彼らはそのままの雰囲気で負けた

バレーでもこういうことが起きるんだーってなんだか他人事でない気がした