. ページ25
.
N『間に合って良かった〜!向こう行って落ち着いたら連絡するんだよ?僕はAちゃんのお兄ちゃんだからね?』
「うん」
N『Aちゃん、改めてちゃんと言いたかったんだ。ありがとう。
顔見て言いたかったんだけど、見送り行けなくてごめんね?』
「ううん、こちらこそ……ありがとう」
ヤバイ、泣きそう。
N『はは……僕が泣きそうだ。韓国に帰って来た時は必ず会おうね?』
「うん……」
N『約束だよ?すぐだよ?すぐにまた会おうね?』
「うんっ、あっ」
泣きそうだったから少し俯いて歩いていていたら、前をよく見ていなくて人にぶつかってしまった。
N『Aちゃん?どうしたの?大丈夫?』
「うん、大丈夫。すみませ…ん…………え?」
N『大丈夫?ならいいけど……怪我しなかった?あ、僕が電話してるからだね。じゃあ切るね?向こう着いたら……』
エン君の声が遠くに聞こえて、次第に消えていく。
それどころか、アナウンスも、周りの人々の声も、靴音も、全て。
一瞬で肺を満たす嗅ぎ慣れた香水。
見上げたら心臓が止まった。
「おに…ぃ………」
彼だけが動いていて、彼だけが色を持って目の前に立っていて、彼だけが音を生み出して、
LE「受け取って欲しい物がある」
大好きな声で
大好きな仕草で
大好きな眼差しで私を見下ろして、
そして大好きな、
ポケットから出した温かい手で私の手に触れた。
「……ど……して……」
LE「愛してるから」
「っ……どうして……」
それ以上の言葉の代わりに溢れ出す涙。
LE「泣くな。Aの涙に弱いの、知ってるだろ?」
指が、掌が、いつもみたいに優しく頬を撫でて、包み込んでくれる。
もう二度と、こうして触れてもらえる日は来ないと思ってた。
それがこんなに、息も出来ない程幸せだと思った事なんて無い。
頭は相変わらず混乱してるのに、全てがこの感情に飲み込まれて……
「あい…してるの……」
途切れ途切れの想いを、それでも拾ってくれた彼は、
LE「知ってる」
クールに、いつもみたいに優しい眼差しでそっと微笑んだ。
.
65人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
けぃたん(プロフ) - 続き読みたいです (2020年12月16日 8時) (レス) id: f3a839ab97 (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - お忙しいことでしょうが更新を楽しみにしております(^^) (2018年10月30日 17時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - みんははさん» さらんさんがんばります(*´▽`*) (2018年9月14日 0時) (レス) id: a36c8f7d95 (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - 更新ありがとうございます。主人公ちゃんついに決心しましたね(^^)主人公ちゃんもレオくんもサランさんも←がんばって! (2018年9月13日 23時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさん、まぁまぁ落ち着いて(ノ^∇^)ノ取り敢えずLEOさんの体でも眺めてもう少しお待ちを 笑 (2018年9月7日 0時) (レス) id: a36c8f7d95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サラン | 作成日時:2018年6月6日 22時