宝物 3

朝のキス ページ18

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翌朝、彼等は日本での撮影スケジュールの為に朝早く出掛けて、時間は朝の９時なのにホテルには私一人。




私はというと、
今日は職場に行って挨拶と、私がいない間韓国語のクラスを受け持っていてくれた臨時講師の先生と引き継ぎをする予定。


まだ出るには早いけど、久し振りに街をフラフラして朝食を食べつつ向かう事にしてホテルを出た。



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ラッシュを過ぎて、さほど混んでもいない電車に揺られながら、ついボーッとして思い出すのは今朝の愛しい人の事。


『ん……お兄ちゃん？もう行くの？』


LE『ごめん、起こしちゃった？』


ベッドに腰掛けてジャラジャラとお気に入りのアクセサリーを身につけていく彼は、下から見上げると更に格好いいから好き。



メイクしてない素の顔で、薄い眉山をクイッと上げて私を見て、それから糸のように目を細めて近付いてくる顔。


LE『おはよう』


『ん……おはよ』


フレンチキスかと思えば少しだけ舌が触れ合う甘いキスをして離れていく。


頬を撫でる掌が愛しさを伝えてくれる。



LE『行ってくるよ。良い子にしてて？』


覚醒したばかりの動きの悪い頭で頷くと、満足気に頭を撫でて、


チュ


もう一度、リップ音を残して部屋を出て行った。




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