宝物 3

一日が終わる ページ17

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どんなに素晴らしくて
どんなに楽しくて
どんなに記憶に残したい時間でも、
１日は24時間で夜が来れば朝が来る。

寝たくなくても寝なくちゃいけない。
そうして一日一日を終わらせなきゃいけない。

それが生きると言うこと。



隣に誰がいて、誰を愛するか、
目を閉じた瞬間に誰を思い描くか、
誰の名前を胸に抱いて眠りにつくのか。

たったそれだけの事が、限られた１日24時間の物語に七色の幸福を与え、輝きを注ぐ。



沢山の経験を、特に子供時代日本に来てから、
一般家庭では味わえないような経験をしてきたから、それなりに強くもなれたし大抵の事を受け入れられる人間になれたつもり。


なのに今、明日からの未来を受け入れたくないと思ってるなんて。



誰も知らない心の奥の宝箱。


仕舞っておきたいのに溢れそうで……








眠りたくない。

明日起きて、今日の出来事を、
ほんの小さな些細な出来事さえも忘れてしまったら嫌なのに、


LE「おやすみ」


「おやすみ、お兄ちゃん」


LE「A」


「なぁに？」


LE「愛してる」


「私も愛してる」






愛する人が隣にいて、一緒に瞼を閉じてくれるだけで、不安が優しい色になる。



やっぱりまだぺーぺーの私は経験不足で、
そんな事を人生で初めて知った。




その日も私達は、昨日と同じようにベッドをくっつけて、手を繋いで向かい合って眠りについた。





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