宝物 2

あと少し ページ30

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夜の日課が増えた。



作る時間なんて無いから、夕食は仕事帰りに適当に買って帰って、
シャワーを浴びてからそれを食べて、
こっちに来てから書き始めた日記を書いて、
それから、
VIXXの皆が気になった日本語をいつでも調べられるように、単語カードと簡単な会話例文ノート。

寝る間が惜しいくらい、夜はこれ作りに夢中になっていて、気付いたら朝。
っていう日も。


それから、時間の許す限り、また前みたいに移動の時も着いて行く事にした。
少しでもVIXXの、彼らの力になりたいから。



彼らとの時間は楽しい。
凄く。
充実してる。

恋も、幸せすぎて怖いくらい。

でもそれは、あと３週間ちょっとで終わる儚い時間だから。



本音は隠そう。
じゃないと別れは辛いだけの記憶になってしまうから。






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LE「A、ここ」


移動の車の中でも、お兄ちゃんは平気で手を繋いで寄り添ってくる。


マネージャーさんは見ないフリしてくれてる。
たぶん、私がもうすぐ日本に帰るっていう前提だから。




幸せな時間は、こうして窓の外を流れていく景色と同じ様に、一瞬毎に過ぎ去っていく。

だから寝たくなんてないのに、体はやっぱり疲れていて、大好きな人の体温と香りに意識が埋もれてしまいそう。



LE「A？眠い？寝てていいよ？」


私の頭を自分の肩に引き寄せて、頼んでもいないのに寝心地の良い体勢をセッティングしてしまうお兄ちゃん。


おまけに寄せた頭部にキスされて、夢の世界に誘うようなタッチで髪をナデナデされてたらもう瞼を閉じてしまうしかなくて……





LE「A、着いたよ。起きれる？」


４０分程の移動距離を爆睡してた。




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