赤司君の傍にずっといる為の３箇条。

第45Q 別に、何も ページ47

side小太郎


「征、ちゃん……？」



震えた声が、体育館に静かに響く。

玲央姉が後ずさって、
目を見開いた。

何だか気になって俺も部室を覗いて……、
固まった。

そこにいたのは赤司と美空、だけど。

美空の携帯から覗いている画像が、
全てを物語っていた。


嘘だろ？

頭の中に色んな気持ちが流れ込む。



「……に、やってんだよ赤司」


「……」


「赤司っ！」



思わず声を張り上げた。

だって、赤司がこんなことする訳……。

こんな、Aを裏切るような。



「ちょっとあんた！征ちゃんに何してんのよっ」


「……別に、何も？」



首を傾けて薄く笑う美空が、どこか恐ろしく見えた。

コイツは、
自分のしたことに全く迷いがなかったんだ。

平気で人の幸せを壊そうとしたんだ。



「いーじゃない別に、Aちゃんは知らないんだしぃ？

言わなきゃ分かんないわよ」


「っ、この女……！」



今にも美空に飛びかかりそうな玲央姉を、
止めることしか出来なかった。

その瞬間、



「やだ、征ちゃん?!」


「A、……」



真っ赤な顔をした赤司が、倒れた。

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