俺が恋をしたのは片足がない人だった。【高尾和成】

にじゅうろくの障害 ページ27

それから二か月後。
二か月間の間にAとキスもできないまま、結婚式となった。
このままで大丈夫か、俺。

会場に着くと、入口のところでAを見つけた。
俺は高校の制服、彼女はちょっと大人っぽい緑色のドレスだった。
綺麗だな……なんて見とれていると、おそらく会場の人だと思われる男の人が、

「未銅A様、高尾和成様ですね。こちらで新郎と新婦がお待ちです。どうぞ。」

と俺たちに声をかけてきた。
案内されたところに行くと、

「よく来たな。」
「高尾くん、Aちゃん、こんにちは。」

そこには、お兄さんとヒカルさんがいた。
お兄さんは白いタキシード。髪もいつもと違ってオールバックにしてて、すごくかっこよかった。
ヒカリさんはたくさんの花がつけられた真っ白なドレス。
Aほどじゃないけど、綺麗だなって思う。

「ヒカリさん、すごく綺麗です！」
「ありがと、Aちゃん！はやくあなたの結婚式もみたいなー。どうなの？高尾くん。」

突然のフリに驚く。

「えっ、あ、はい、いや、もちろん、そのつもりで、すよ。」
「何言ってんだお前。」

カタコトだけど、ちゃんとそのつもりだ。
とか言った後に俺はものすごく恥ずかしくなったわけだが。

お兄さんとヒカリさんは準備とかで別の部屋にうつった。
いつか俺も、こんな風にAとできたらなー……なんて。

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