検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:53,045 hit

じゅうよんの障害 ページ15

男はこういう時、嘘はつけない生き物である。
俺は口から飛び出たコーヒーを拭くと、

「一応、好きです。」
「じゃあやめとけ。」

え、そりゃなくないっすか。
お兄さんは持っていたコーヒー(しかも大人のブラックとかいうやつ)を無表情で飲んだ。
告白もしてないのに、やめとけって……。
理由は一応聞いておこう。

「なんでっすか。」

コーヒーを飲み干すと、俺の方を見た。

「俺は昔からこうしてるが、車いすがあると色々なところに移動するのも無理だ。並んで歩けもしないし、手も繋げない。水族館にも、動物園にも、映画館にも、行くのにはお前だけに相当な労力がかかる。車いすは重いし、そのまま階段を上がることは難しい。それを一生できるような気がないんだったらやめろ。」

お兄さんはいつにもまして真剣に言った。
本を読んでいたからわかってはいたけど、本当にそうしてきた人が言うと重みが違う。
甘く考えていた、と認めざるを得なかった。

未銅さんの事は好きだ。まあ、あっちがどう思ってるかは分かんないけど。
でも、お兄さんが言うようなことを一生やっていくとなると、普通では考えられないくらいの負担がかかる。
短期間付き合うにしても、それは明確な事だった。軽く答えることはできない。

それでも、

「俺は……彼女が好きです。お兄さんが言うようなことも、やります。やらなきゃそばには居られないし、守らなきゃいけないから。だから、気持ちは伝えたいです。」

お兄さんはパッと立ち上がり、

「まあ、できるっつーならやってみろ。」

と言いながら図書館に戻って行った。
どっちにしろ、気持ちを伝えねーと……。
俺はゴミ箱にカンを捨てると、再び図書館に戻った。

じゅうごの嘘→←じゅうさんの障害



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (137 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
164人がお気に入り
設定タグ:黒子のバスケ , 黒バス , 高尾和成   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

にゃー助(プロフ) - 夕凪葵さんの作品大好きです!いつも見てます!だから、今回の雑談の落ち着きには、少し驚きました(笑)でもなんか、『夕凪葵さんだ…』と思えました(笑) (2014年5月7日 17時) (レス) id: e493149bc6 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - やばいです!高尾君かっこいいっ!更新頑張ってください。応援してますっ (2014年4月30日 23時) (レス) id: d7d9fa8f30 (このIDを非表示/違反報告)
イリス(プロフ) - 夕凪葵さん» あたしも影山好きです(*´∀`)ストーリーもいいですもんね( ´艸`)弱ペダもTOHOanimationなのでお話の雰囲気が似ているし、ストーリー重視なら見ているうちに引き込まれていきますよ(*゜д゜*)あたしも最初はなんとなく見ている感じでしたし( ̄∇ ̄) (2014年4月29日 10時) (レス) id: 188bada48d (このIDを非表示/違反報告)
snow-rabbit(プロフ) - Twitterに書かせて貰いました!! (2014年4月28日 19時) (レス) id: 84b2ac84db (このIDを非表示/違反報告)
夕凪葵(プロフ) - イリスさん» ありがとうございますです。ハイキュー、ツッキーと影山が好きです。弧爪くんもかっこいいですよねー!弱ペダは絵がどうもダメで見てないんですが、みんなカッコいいみたいですね(*ノωノ) (2014年4月28日 19時) (レス) id: 9ee3e9c412 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夕凪葵 | 作成日時:2014年4月16日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。