Step14 ページ15
入浴を済ませ、大浴場から部屋に帰ってくると、どうやら先に帰ってきていたらしいなおちゃんが、ベッドの上で伸びていた。
「あ゛ー……つ゛か゛れ゛た゛……」
「なおちゃんそれアイドルが出しちゃ駄目な声」
大胆に大の字になって、悲鳴とぼやきとため息が混ざったような声を上げるなおちゃんを横目に、私も自分のベッドの上に座る。カレンダーアプリを確認すると、明日は午前がレッスン、午後から座学という時間割になっていた。
「わかってたつもりだったけどさ、アイカツってやっぱりハードだよね」
天井を見つめたままなおちゃんが言う。そうだね、と応え、今日一日を振り返ってみた。
お披露目ライブのお知らせがあって、ステージに立つ順番が決まって。早速始まったボーカルレッスンもダンスレッスンもきつくて……。
白月先輩も、もしかして。
こんな風にアイカツの厳しさに打ちのめされた日があったのだろうか。
「ねえ、なおちゃん」
「ん、何？」
「私たちの中で、アイドルになってキラキラに輝けるのって、きっとほんのひと握りなんだよね……」
重苦しい沈黙が続いた。たった一度のレッスンで大袈裟かもしれない。けど、私の心はぐらぐらと、良くない方向に傾き始めている。こんなに大変なレッスンを何度も何度も繰り返しても、輝けるのはきっと、ほんのわずか。
「確かに、そうかもね」
口を開いたなおちゃんがそう言う。直後、「でも」と続けながらベッドから跳ね起きた。
「あたしたちはその『キラキラに輝ける』見込みがあったから、ここに来れた。難しい試験を突破してここに来たんでしょ。……じゃあ、そんな自分を信じてあげなきゃ」
ね、と笑うなおちゃんに、「うん！」と力いっぱい頷いた。
そうだ、こんなたった一回のレッスンで、自分を信じられなくなっちゃいけない。「アイカツは何よりも自分との戦いが一番多い」という白月先輩の名言を思い出した。
「……なおちゃん、ありがとう」
「やだな、もう。いちいちそんなこと言わなくていいの！」
ぷいっと顔を背けたなおちゃんの耳は赤くなっていた。思わずくすりと笑みが溢れる。
「ほら、もう寝るよ。明日はスペシャルアピールのレッスンもあるんだし、しっかり寝とかないと」
ヘッドボードの横の電気を消す。室内はすっかり真っ暗になった。
「おやすみ、千叶」
「おやすみ、なおちゃん」
疲れもあったからか、この日はすぐに眠りに落ちてしまった。
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吹雪朱雪(プロフ) - 銀木犀さん» ですね！ (2022年3月12日 22時) (
レス) id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - 吹雪朱雪さん» ありがとうございます‼︎ 私も高校受験だったので吹雪朱雪さんとは同い年ですね…！お互い春休み自由を謳歌しましょう‼︎ (2022年3月12日 22時) (レス) id: 25f4b581e3 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪朱雪(プロフ) - おめでとうございます！受験ってことは、高校か大学ですかな？僕は高校を合格したので、もしかしたら同い年かも… (2022年3月12日 21時) (レス) @page36 id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - ななふしさん» ｳﾜｰｰｰｯｯ応援ありがとうございます‼︎ こんな時間に占ツク見てる時点で勉強してないのバレバレですがいただいたコメント見てやる気が出ました…！受験が終わったらめちゃめちゃ更新するのでもうしばらくお待ちください…‼︎ (2022年2月27日 0時) (レス) @page36 id: cb1096e7b3 (このIDを非表示/違反報告)
ななふし - どうか勉強のほど頑張ってください…‼︎また更新されるのを楽しみにしています‼︎ (2022年2月23日 16時) (レス) @page36 id: 1a1d3d8eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀木犀 | 作成日時：2019年11月10日 13時
