ルトリアングル2

4回目のキス ページ38

「はははっ」






何もおかしいことなんてないのに



ジョンハンは私の痕を見ては笑ってる





「あーあ」





笑い疲れたのか、ジョンハンはため息をついた






「どうだった？好きな人に愛された気分は」






そう冷めた目で私を見るジョンハンは



もう私の知ってるジョンハンなんかじゃない






【もう、彼の元には戻れないね】






ウォヌさんの言葉の意味をようやく理解する







「ねえ、A知ってる？



僕ね、欲しいものは平気で奪える男なの。



Aと出会う前まではね



たくさんの女の人達を自分の物にしてきたんだ



どんな汚い手を使っても。



たとえそれが、ジスの彼女でも構いなく」






ジョンハンが私の耳元で囁く。







「だから、僕はまた奪ってみせるよ。




Aの気持ちなんか関係なく、誰のものであっても




どんなに汚い手を使っても




Aを手に入れるためなら何だってする」








これが、本当のジョンハンなんだ




私が知らなかったジョンハン




ジョンハンが隠してきたジョンハン








「大事にしたかったんだけどな…」







ジョンハンは荒っぽく私の顔を引き寄せた








「けど、もういいよね…



壊してしまっても」









そう言って、彼は私にキスをした。









初めて触れたジョンハンの唇は熱くて





そして、ひどく冷たかった。







何度も何度も彼は私の唇を求めた






例え私が息ができなくて、苦しくなっても関係なく







彼は深く深く






私が苦しむのを楽しんでるみたいに






私に息をさせないように口づけを繰り返した。








逃げようと彼の胸を押すけど







びくともせずに、その指はあっけなく絡め取られて上で拘束される









私は、何となく初めてのキスはジョンハンとするんだと思ってた。






優しく笑い合いながら、それはきっと幸せなんだって






そんな憧れていた彼とのキスは4回目で







それは、あまりにも乱暴で、激しく、涙の味がした。

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