ルトリアングル2

可哀想な女の子 ページ1

ジスside




ジョンハンがいなくなって一ヶ月が経った。



最初は、もうすぐ帰ってくると思って探さなかったけど、さすがにおかしい



電話も繋がらないし





「ジス、ジョンハンの目撃情報とれたよ」




そう言ったのはジュニ。




「あるスーパーで、隣中の制服を着た女の子と一緒にいたらしい」




「それで、その子の名前は？」




「名前はA、黒髪で地味な感じの女の子らしい。はい、写真」




「分かった。じゃあ、俺が明日接触してみるよ」






きっとジョンハンは彼女の元にいる。



ジョンハンが一ヶ月も居座るなんて信じられないけど、どんな女の子なんだろう




ジョンハンにいいようにされて、傷ついてぼろぼろになってなければいいけど…






「初めまして。俺はジス。君が、Aさん？」





彼女の中学校で待ち伏せしてみると、写真通りの女の子が出てきた。





「ジョンハンが君のところにいるって聞いたんだ」





そう言うと彼女は身構えた。



ああ、きっと彼女はジョンハンを知っている。




それなのに




「ジョンハンなんて知りません」




彼女は足早に俺から逃げようとする





「お願いだけど、ジョンハンを返してくれないか」





俺は彼女の手を掴む。




彼女も、きっと溺れてしまったんだね




ジョンハンにいいように騙されてしまったんだ






「彼をモノみたいに言わないで」






そう俺を睨みつける彼女。




君はジョンハンを守ろうとしてるみたいだけど




ジョンハンは君を守ってなんかくれないよ






「ごめん。でも、俺はジョンハンと幼馴染で小さい時から彼のことをよく知ってる」






見た感じ、純粋そうな女の子だった




それこそジョンハンの黒い部分なんか何も知らないような女の子




今なら、きっと戻れる




俺はただ彼女を助けたくて言った






「君さ、ジョンハンのことが好きになったならやめておいた方がいいよ。彼は君のこと都合のいい女としか思ってない」






俺は何人も見てきたんだよ




彼を好きになって、好きにさせられて、依存させられて



それでも、飽きられたら、捨てられて




あるものは全部ジョンハンに取られて




まともに生きていけなくなった女達を







それなのに、Aは俺の手を振り切って
走って逃げて行ってしまった。






あーあ、俺はちゃんと忠告したのに。






可哀想な子。

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