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208.あの日の消された言葉は ページ8

「杏寿郎さんに


 謝りたいとおっしゃっていました。


 …酷いことを言ってしまったことを。」



 杏寿郎さんは目を丸くして私の目をまっすぐに見つめる。



「…聞いたのか?」



「…はい。」




「…彼女はどんな様子だった?」



「新太郎さんの話をする時は、

 涙を流して、言葉を詰まらせていました。」



 私がそう言うと杏寿郎さんは目を伏せた。



「…でも、彼女は前を向いていました。


 亡くなっても、新太郎さんがそばにいてくれていると

 
 信じて、前を向いていました。」





 私は杏寿郎さんの左手にそっと触れてみる。

 
 しっかり向き合って話をしたい。

 あなたの考えていたことを知りたい。




「…杏寿郎さん?

 私はどうしてもお聞きしたいことがあります。」



 杏寿郎さんは私の方へ向きを変えたので、

 私も同じように杏寿郎さんへと身体を向ける。




「…なんだ?」







「…1年前の花火大会の日、

 
 私に別れを告げる前に、

 
 杏寿郎さんは何か言いましたよね…?」




 色とりどりの花火の光が杏寿郎さんの頬を照らす。



「…あの時、花火の音で


 何と言ったのか分からなかったのです。


 でも、別れを告げる前の表情とは…


 どこか違った気がするのです。




 あの時、何とおっしゃったのですか…?」






 杏寿郎さんは、困ったように眉を下げて

 泣きそうな顔で私に言った。








「愛している。」



 

209.瞳で揺らめいて煌めく花火→←207.心を走らせる



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - sayaさん» sayaさん、ご感想をありがとうございます!一気読み嬉しいです〜!勿体無いお言葉まで…感謝の気持ちでいっぱいです。。ぜひ、他の作品でもお待ちしておりますね!最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 (10月20日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしたり、切なくなったり、ホワホワしたり、で一気読みしてしまいました。とまりませんでした。このお話と出会えてよかったです。他の作品もこれから読まさせて頂きます!! (10月19日 23時) (レス) id: 7154e48ffe (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - もにょさん» もにょさん、最後までお読みいただき、そしてコメントをしてくださり、ありがとうございます!最高な作品だなんて…幸甚の至りです!またいつでもお越しくださいね。 (2023年5月6日 8時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
もにょ - ハンカチがびっしゃびしゃになる程泣きました。甘く切なく幸せな夢をありがとうございました。最高な作品に出会えて幸せです。長編お疲れ様でした! (2023年5月6日 4時) (レス) @page48 id: c62f6d1e54 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 桜月夜さん» 桜月夜さん、感想ありがとうございます!感動してくださるなんて光栄です!素敵なお言葉までありがとうございます(*˙˘˙*) (2021年11月19日 17時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年11月5日 19時

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