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230.炎柱 ページ30

〈杏寿郎 side〉


 俺はお腹を満たすために入った蕎麦屋を出て、

 隊士を連れ、数日前に切り裂き魔に襲われた

 車掌の遺体が発見された駅構内を検分していた。




 駅弁を売っていた弁当屋さんから弁当を買うと、

 隊の皆へのお土産として隊士に渡し、

 そこで彼とは一度別れた。




 車庫へ戻る列車に乗っていると、
 
 車掌から無限列車は今朝方設備の整った

 設備工場へと運ばれたと教えてもらった。







 整備工場に着くと、そこでは運行再開が決まったという

 無限列車の整備を作業員が行っていた。



 俺が整備作業員の親方と話している時だった。


 噂の切り裂き魔が現れた。


 
 作業員を人質にとり、思うように手が出せなかったが、

 それでも鬼に詰め寄って腕を切り落とした。


 無事に人質が解放されると、鬼は駅の方へと向かった。


 俺は人質となった男の応急手当てを済ませると、

 後からやってきた隊士たちにこの場を任せ、

 鬼の後を追った。



 鬼は駅にいた弁当屋さんのお婆さんに詰め寄っていた。



「一体…どうやって追いつきやがった。」


「過信するなと言ったはずだ。」



「試してみようじゃねえか。


 俺がこのババアの喉を切り裂くのが先か


 お前が俺の首を取るのが先か。」




「試すには及ばない。お前は…遅い!」



 俺は切り裂き魔である鬼の首を切り落とした。



「炎の呼吸 壱ノ型 不知火」


 すると、その光景を見ていた弁当屋のお婆さんは


 二度も自分を救ってくれた、


 20年前にも助けてくれたと俺に言った。



 ああ…それはきっと父上だ。


 俺の憧れた、炎柱・煉獄槇寿郎だ。


 父上と同じように、この方々を救うことができた。


 俺は胸が熱くなるのを感じた。



 しばらくすると、駅で共に検分した隊士が


 再び俺の元へと駆けつけた。


「ご苦労様でした。それで、無限列車は…」


「今夜中に整備を整え、明日から運行再開とのとこだ。」


「それは良かった。これで万事解決ですね。」


「それは性急すぎるな。


 40人以上も食った鬼が、この程度であろうはずがない。」


 無限列車からは微かだが別の鬼の気配がした。


「いずれにせよ、無限列車の鬼は別にいる。

 もっと強力な得体の知れない鬼がどこかに潜んでいる。」




「では明日、無限列車に…」


「無論、乗り込む!もう今日だがな!」



 俺はその日の夕刻、無限列車へと乗り込んだ。




 

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - sayaさん» sayaさん、ご感想をありがとうございます!一気読み嬉しいです〜!勿体無いお言葉まで…感謝の気持ちでいっぱいです。。ぜひ、他の作品でもお待ちしておりますね!最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 (10月20日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしたり、切なくなったり、ホワホワしたり、で一気読みしてしまいました。とまりませんでした。このお話と出会えてよかったです。他の作品もこれから読まさせて頂きます!! (10月19日 23時) (レス) id: 7154e48ffe (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - もにょさん» もにょさん、最後までお読みいただき、そしてコメントをしてくださり、ありがとうございます!最高な作品だなんて…幸甚の至りです!またいつでもお越しくださいね。 (5月6日 8時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
もにょ - ハンカチがびっしゃびしゃになる程泣きました。甘く切なく幸せな夢をありがとうございました。最高な作品に出会えて幸せです。長編お疲れ様でした! (5月6日 4時) (レス) @page48 id: c62f6d1e54 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 桜月夜さん» 桜月夜さん、感想ありがとうございます!感動してくださるなんて光栄です!素敵なお言葉までありがとうございます(*˙˘˙*) (2021年11月19日 17時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年11月5日 19時

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