君が思い出すまで5【煉獄杏寿郎】

213.※覚悟はいいか ページ13

※ 今回は大人です。
　苦手な人はとばしてください。






　杏寿郎さんはひとつひとつ


　ゆっくりと隊服の上のボタンを外していく。


　その手は大きく、節がしっかりしていて


　指の先まで動きが綺麗だ。




　ぼうっとその指先を見ていると、


　私の視線に気づいた杏寿郎さんは


　口の端を少しあげて、妖しく微笑む。



「どうした？」


「…いえ。」



　杏寿郎さんはシャツのボタンに手をかけている途中で


　私を押し倒した。



「とても綺麗な浴衣だが、


　君の素肌に敵うものなどないな。


　汚してしまうから…俺が脱がせてあげよう。」



　杏寿郎さんはそう言うと、浴衣の帯を素早くほどき、


　あっという間に素肌が露わになる。



「…ずっと触れたいと思っていた。


　情けないことに、叶うことなら君ともう一度…と、


　何度も心で願ってしまっていた。」



　熱に浮かされた瞳で杏寿郎さんは私の身体を撫でた。



「…それは私も同じです。


　もう二度とないと思っていました。


　それでも杏寿郎さんに触れたくて…


　触れて欲しくて…


　自分の欲深さに驚き、浅ましいとさえ思いました。」




　杏寿郎さんは私の下唇を親指でなぞる。




「…浅ましくなどない。


　君にそう思われるのが俺で、心から嬉しく思う。」



　私は彼を見つめ、両手で頬を包むと、


「私は幸せ者です。」


　と想いを込めて言葉にした。



「俺はもっと幸せ者だ。


　今宵は日が昇るまで眠らせやしない。


　…覚悟はいいか？」



「…え？」



　杏寿郎さんは私に告ぐと、



　深い口づけを落とし始め、


　器用に口づけをしながら自身のシャツを脱ぐ。




　互いに汗ばんだ肌と肌が触れ合い



　より気持ちを高揚させていく。



　
　杏寿郎さんはその綺麗な手で優しく私をほぐし、


　久しぶりに感じる刺激に私は身をよじらせる。



　意図せず跳ねる身体は、



　まるでもう自分のものではないようだった。








　
　

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