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180.数える ページ30

台所で夕餉の準備をしているところへ


 湯浴みを終えた杏寿郎さんがやってきた。


「もう出られたのですね!

 夕餉もう少しですから待っていてください。」



「分かった!楽しみに待っている!!」


 
 私が手を洗おうと


 水道の蛇口に手をかけようとした時、



 杏寿郎さんは後ろから私を抱きしめた。



 予期せぬことで鼓動が早まる。



「…杏寿郎さん?」


 私が声をかけると、


 杏寿郎さんは私のうなじのあたりをすんっと嗅ぎ、


 落ち着いた声色で話す。



「…いい匂いがする。」



「…くすぐったいです。

 手を…洗わせてください。」




 そう言うと、さらに強く抱きしめてきた。



「あと10秒だけ待ってくれないか…?」



「…じゃあ、あと10秒だけ。」




「俺が数えよう!



 1…2…3…4…5…6…7…8…9………」




 あれ?9からが長くない…?


 全然10って言わない…!!



「きょ…」



「…来週の土曜日の夜、


 予定を空けておいてくれないか?」




 来週…?





「わ、分かりました。」







「一緒に花火大会へ行こう。」



 花火大会、杏寿郎さんから誘ってくれた…!


 嬉しくて、私は首だけ後ろを振り返ると


 穏やかな表情の杏寿郎さんが目に映った。


「…10」



 杏寿郎さんはそう言うと、抱きしめていた腕を離す。



「私も…!誘おうと思っていました。


 嬉しいです!楽しみにしていますね!」



「うむ。」






 杏寿郎さんと花火大会かあ、幸せだなあ。





 でも少し緊張する。



 杏寿郎さんはどんな色のどんな柄の浴衣が好きかな?



 明日、千寿郎くんに相談しながら決めよう。



 私は顔を綻ばせながら手を洗い、


 夕餉の準備を進めた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 衣世さん» 苦しいですね…。書いていても辛いです泣 叫んじゃってください〜!! (2021年11月3日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 更新ありがとうございます!杏寿郎ーー!!切ない、苦しいですね(ToT)うあぁぁぁ(TдT)叫ばずにはいられません泣 (2021年11月3日 18時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - akiomiさん» はじめまして。コメント嬉しいです!ありがとうございます。溶けてしまいたいですね…笑 応援ありがとうございます!引き続きお楽しみくださいませ! (2021年11月3日 12時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
akiomi(プロフ) - 初めまして。切なくてどうしようもない気持ちになり、コメントしてしまいました!雪になって、私も溶けてしまいたい笑 続きも楽しみにしております。これからも応援しています! (2021年11月3日 11時) (レス) @page45 id: 15912deccb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - ろろろーさん» はじめまして。コメントありがとうございます!胸を締め付けるようなお話ばかりで申し訳ないです。嬉しいお言葉、ありがとうございます!更新、頑張りますね! (2021年11月3日 10時) (レス) @page45 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月23日 12時

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