君が思い出すまで4【煉獄杏寿郎】

163.※甘い涙の口づけ ページ13

※ちょっと大人です。
　 苦手な人はとばしてください。





　私はそっと目を閉じる。



　何度も、何度も、優しい口づけが落ちてくる。



　すると、突然口の中に甘い水が入ってきた。



　これは…涙？


　私はおもむろに目を開けると、

　
　杏寿郎さんが穏やかな表情をしながら涙を落としていた。


　杏寿郎さんは薄く目を開けて、一度口づけをやめると、


　苦しく掠れた声で私に告ぐ。



「…幸せすぎるんだ。


　君とこうして愛し合えることが


　幸せすぎるんだ…。」


　そう言い終えると、今度は深い口づけに変わる。


　
　杏寿郎さんの言葉が嬉しくて、


　思わず胸が熱くなってきて私も涙を零す。


　どちらのものと分からない甘い甘い水が


　口元を濡らしていく。




　
　杏寿郎さんは、壊れ物を扱うように


　私をゆっくりと褥に寝かせる。





　次第に口づけは激しいものへと変わっていき、


　呼吸が乱れていった。




「…んっ」



　必死に呼吸をしていると、いきなり手で鼻をつままれる。



　私は鼻で息が出来なくなり、反射的に口を開く。



「…んんっ、はぁ」



「…集中」



　杏寿郎さんは艶かしい表情でそう言うと



　離れぬようにと舌を絡める。



「んっ」




　いよいよ口づけに止まらなくなり、


　
　杏寿郎さんは優しく、優しく、私の身体を撫でる。




　痛むことのないように、



　
　たくさんの愛で満たされて慣れさせられた私の身体は







　もう既に溶けきってしまった。


　
　


　
　


　
　

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