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133.願う ページ33

 自室で縫い物をしていると


 華恵さんのところへ行っていた杏寿郎が帰ってきた。


 杏寿郎さんは少し落ち込んだような顔をしている。


「おかえりなさい。」


 杏寿郎さんは、部屋の襖を閉める。



「ただいま戻った。


 A、華恵と話をしてきた。


 華恵は渡米するので、縁談は無かったことにしてほしい


 と言ってきた。あまりの突然のことに驚いてしまってな。


 ただ、俺も自分の気持ちを伝えようと、向き合ってみた



 のだが、彼女は聞いてはくれなかった。」



「…そうでしたか。」


 急に渡米…?杏寿郎さんとの婚約破棄…?

 
 あんなに慕っているように見えたのに…?

 
 どこか不自然な気がする…。




「しかし、もうこれ以上はどうにもできまい。

 
 彼女も聞きたくないといった感じだったのでな。


 これで華恵とは終わりにしようと思う。」


 杏寿郎さんは肩を下ろすと、


 私に優しく微笑みかける。

 
 
「思うところはあるが、考えても仕方がない!

 俺は君を大切にしたい!ともにいて欲しい!

 …こんな酷い男だが、

 君はそれでも側にいてくれるだろうか…?」


 彼は眉に皺を寄せ、目を細めて自信なさげに問う。


「私はどんな杏寿郎さんでも

 ついて行きたいと思っていますよ。」


 膝の上にある彼の手を取り、そっと握る。





 
 ああ、神様。
 

 どんな形であれ、私は杏寿郎さんと華恵さんの仲を


 引き裂いてしまった。


 本来なら、いるべきはずではない私が…。


 私は禁忌を冒してしまった。


 ならざることをしてしまったのかもしれません。
 

 もし、この罰を与えるのならば、


 どうか…


 どうか、私だけに。



 
 

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 朱乃さん» はじめまして。コメントありがとうございます!煉獄さん本当に素敵な人ですよね〜!ドキドキさせられているのであれば光栄です!今後も皆様が入り込みやすいようなストーリー作りに努めますので、ぜひお楽しみくださいね! (2021年10月22日 20時) (レス) @page47 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
朱乃 - 初めまして。私も煉獄さんが大好きで、妄想恋愛をするくらいなので、(きゃー恥ずかしい)こんなことが本当にあったらいいなーと毎回ドキドキしながら読んでます!続き楽しみです! (2021年10月22日 19時) (レス) @page46 id: 6c032548ee (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - さこさん» はじめまして。コメントありがとうございます。煉獄さん、素敵ですよね!キュンキュンしていただけて嬉しいです〜!最後までぜひお付き合いください! (2021年10月20日 21時) (レス) @page41 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
さこ(プロフ) - 初めまして。私は煉獄さんが大好きなので、キュンキュンしながら読ませてもらってます(^^)続きがすごく楽しみにしてます(^^) (2021年10月20日 21時) (レス) @page41 id: 8c0425346a (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 衣世さん» はじめまして!コメントありがとうございます。もどかしいですね…書いている私も胸を締め付けられています…笑 皆様が流れで読みやすいよう、更新頑張っております!引き続き、お楽しみください。 (2021年10月17日 11時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月16日 14時

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