八十五話 限度を弁えない者 ページ6
_____焔萩、その実力は柱と同等であるが故に下手な扱いが出来ないのが逆に仇となった。
こうして不死川が師範として彼を継子にしたが、宇髄はそれを少しだけ同情する。
御館様からの推薦であれば断る事も出来ないのだし、決まった運命だったのだろうが。
「とりあえず!俺はもう行くからな!!これ以上遅れたら怒られるわ!」
「はァ!?おい、おはぎは持ってけェ!!」
「知るか一人で食ってろ!!」
_____だが、それはそれ、これはこれ。
宇髄は少しだけ緩んだ手の力を見逃さず、振り切って逃げた。
慌てて呼び止めるも、流石は元忍。
あっという間に気配が消え、彼がこの場から完全に立ち去った事を意味した。
取り残された(というか不死川の屋敷だが)不死川と萩。
「
だが先に口を開いたのは萩の方だった。
「断じて嫌いじゃねェ。だが量を弁えろォ!」
ビシッと未だ小さくならないおはぎの山を指差して、不死川は吠える。
「俺はあと5個食う!!後はテメェにくれてやらァ!!」
そう断言して、不死川は正座。
おはぎの山を前にして、正座をして。
_____問答無用に、おはぎを食べだした。
本来ならばおはぎという甘味はこういう食べ方をしないのだが、致し方ない。
これ以上萩を待たせるか、不機嫌にすると追加で山が増えるだけだと不死川は一年で学んだ。
そう、頬を膨らませながら食べる師範を見て、萩。
「………アイツに似てんな………」
_____ボソッと、呟いた。
「あァ?………アイツって誰だァ」
嚥下した不死川が、ゆっくりと問う。
萩の、血のような深紅の瞳が、不死川を射抜いた。
「……俺の相棒。探してるが、まだ見つからねぇ」
「あァ………なんか寝言で聞いたわァ」
「は?寝言?」
待てそれは聞き捨てならん、と萩は身を乗り出し。
それにのけぞった不死川が、言葉を一瞬詰まらせながらも、答えた。
「確か、"A"とか言ってたぜェ」
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極暇人(プロフ) - いえいさん» コメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い……!とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2020年2月1日 6時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
いえい - やっぱめちゃくちゃ面白いです!主さん天才!(^o^)更新頑張って下さい! (2020年1月31日 20時) (レス) id: 482fd09204 (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 雨鷽さん» コメントありがとうございます!応援コメントは糧になりますので、本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - とても面白かったです!新しく更新されていたところを毎日見てますwこれからも更新頑張ってください! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 大木さん» コメントありがとうございます!よくよく考えればそうですね、すいません……訂正しておきます。これからも宜しくお願いします! (2020年1月17日 13時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:極暇人 | 作成日時:2020年1月14日 20時