百二十一話 恋柱なる者 ページ43
「いやいや、言い訳させて貰うけど、俺任務内容も集合場所と時間も教えられてないんだが」
「鎹鴉のせいにするのか!」
「俺のやつは鴉じゃなく梟なんだけど」
実際アイツのせいだしなぁ。
本当、せめて集合場所くらいは教えて欲しかったと笑うA。
流石の二人も、そんな態度にキレた。
「何なんだお前!」
「ふざけるのはお前の髪色だけにしろ!」
_____と。
Aは、一瞬何を言われたか理解出来ず固まった。
_____髪の色?ふざけるのは髪の色だけにしろ?
怒りに瞳を染めた二人の隊士が、まだ何か言っている。
周りの野次馬が、だんだんと隊士の二人を非難し始めたように見えた。
_____どうやら、人を外見で判断しちゃう系男子の二人らしい。
Aは、それはモテない男のタイプだぞ、と内心舌打ちしながらも、何とか言葉を飲み込んだ。
_____アンタラの方がふざけた髪色してるけどな、という異世界人からみた感想を、である。
「まぁ、待て。俺の髪は地毛で_____」
とりあえずは弁解しておこうと口を開いた、その時。
視界の端に、ピンクが映った。
それも、ものすごいスピードで。
「………水流Aって貴方ね!」
「はい?……はいっ!?」
可愛らしい声が聞こえたと思えば、がっしりと掴まれる両手。
え、と視界のピントを合わせれば、何とも可愛らしい女性が目の下に。
……上からの景色が何とも際どいのはノーコメントだ。
「キャーっ♡貴方とても整った顔をしているのね!キュンキュンしちゃう!」
「え、と……アンタも可愛いと思うけど」
「っ!ありがとう!」
ニコッと可愛らしく笑う花のような女性。
桜色を三つ編みした長髪は、緑がかったグラデーションを生み出しており、とても地毛には見えなかった。
「こ、恋柱様!」
「……こいばしら?」
え?ともう一度しっかりと顔を見れば、ぱっと頬を赤らめて視線を逸らした彼女_____恋柱、甘露寺密璃は気恥ずかしそうに。
「甘露寺密璃よ。よろしくね、A君」
「れ、A君………Aでいいんだけどなぁ」
「まさか!殿方を呼び捨てなんて、出来ないわ!」
「あはは……殿方かぁ」
はて、こんな殿方がいていいのかと首を捻った。
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極暇人(プロフ) - いえいさん» コメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い……!とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2020年2月1日 6時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
いえい - やっぱめちゃくちゃ面白いです!主さん天才!(^o^)更新頑張って下さい! (2020年1月31日 20時) (レス) id: 482fd09204 (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 雨鷽さん» コメントありがとうございます!応援コメントは糧になりますので、本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - とても面白かったです!新しく更新されていたところを毎日見てますwこれからも更新頑張ってください! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 大木さん» コメントありがとうございます!よくよく考えればそうですね、すいません……訂正しておきます。これからも宜しくお願いします! (2020年1月17日 13時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:極暇人 | 作成日時:2020年1月14日 20時