【鬼滅の刃】呼吸は肺から、魔法は器から【男主】

九十八話　生き残った者 ページ19

あっはっは、アイツ中々にイケメンだったなぁモテ男死すべしだわ本当あっはっは。


そう、朗らかに笑いながら歩き出したAに。




………………ん？鬼舞辻無惨………？……鬼舞辻無惨に会ってきた？と。
炭治郎は数秒固まって。




「………え、え？えぇぇえええ！！！？？」


_____思わず、叫んだ。



「ちょぉっと待ってくださいAさん！鬼舞辻無惨ってあの鬼舞辻無惨ですか！？」


「鬼のトップの鬼舞辻無惨だったわ(笑)」


「いや笑ってないで……ちょ！Aさんはっっっっや！？」



おい待てその話を詳しく、と手を伸ばせばスタスタと歩き出し止まらないA。



競歩の世界選手権優勝出来るんじゃないかとA自身思う。


………いや競歩だけじゃねぇか、と訂正しよう。




「…って、生き残ったのこれだけか？すっくねぇ…………」




と歩くのをやめて辺りを見回すAに、炭治郎も釣られて見渡す。
………この会場にて残ったのは、Aと炭治郎含めた5人であった。




20人を超えた志願者が、5名にまで絞られた、となると。





………炭治郎が助けた少年も、喰われたらしい。




「お？あのパツキン。"やっぱ"生き残ったか」


「ぱつきん……？」




よっ！と駆け出したAの背に隠れてわからなかった炭治郎。



だが、直ぐに聞こえた汚い高音に、あぁと納得する。




「なんでアンタ生き残ってんのぉ！？アンタみたいなの一番最初に死ぬでしょ普通！！」





初日、Aに絡まれた金色の髪の少年だ。
あれ程まで汚い高音は聞いた事が無かったから、よく覚えていた。




「おいおい、そりゃねぇだろツッコミ担当」


「なんだその名前はぁ！！さっきっからツッコミ担当やらパツキンやらうるっせぇわ！！俺は我妻善逸って名前があるんだぞ！！」



「俺は"水流(みずなが)"Aな！よろしく我妻！」



「いや自己紹介の時と場所履き違えてない！？」



握手しよーぜ〜とヘラヘラ笑うAに、我妻善逸と言った少年はただ叫んだ。



もうやだこの人、と。




ちなみに、水流という苗字は鱗滝につけてもらったそうだ。




なんでも、彼の本名は長く日本人には辛いとの事で、少しでも"らしい"名前にしようとした結果らしい。




確かに、"水流"という苗字はAにぴったりだと炭治郎は思う。







暇さえあれば水の中に漂っているのだ、まさしくスイリュウである。

九十九話　魔法を見た者→←九十七話　鬼舞辻に会った者

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す